学びの環境を作る・・・

 

    副校長   加藤 光一

 

つい先日、学校の体育館で1〜3年生の子どもだちと一緒に、本校保護者の方と地域の方に来校していただき、弦楽四重奏を聞かせていただく機会を得ることができました。最初の曲は、モーツアルトの「アイネクライネ・ナハトムジーク」です。司会の先生が立っているときは少しざわめいていた体育館内。演奏が始まると見事に静まりました。少しほっとしました。間をおかずに、子どもたちの列のあちこちから体が揺れ、肩が動き出しました。よく見ると膝の上で両方の指がピアノを弾くがごとく動いている子もいました。

 何年か前の授業研究会でのことでした。めずらしく私は、音楽の授業を見る機会を得ました。2年生の授業でした。そこでの授業の中で、世界的に有名な日本の指揮者 小澤征爾氏の「ニューイヤーコンサート2002」のアンコール曲「ラデツキー行進曲」をDVDで鑑賞させるという場面がありました。少しの聞は、新鮮さもあって、見て、聴いてというだけでしたが、誰からとはなく立ち上がって小澤征爾氏の指揮ぶりを真似ていました。すると何人かの子も立ち上がり小澤征爾氏になりきっていました。たぶん感動したのでしょう。私は、その子どもの姿にとても感動しました。当然ながら子どもたちも一流のプレイを感じるのでしょう。小さい頃から一流に触れたり、本物に触れたりすることで、その子の感性が磨かれるのだなと思いました。

 こんな話を聞いたことがあります。パリにあるルーブル美術館や、オルセー美術館には、小学生がグループで来てダ・ピンチやミレーの前で一生懸命先生の話を聞いたり、ディスカッションをしているのだそうです。さすが芸術の都パリならではのことだと思いました。

 そうです。権太坂小学校の子たちも、モーツアルトとなって「アイネクライネ・ナハトムジーク」を指揮しているのです。私たちは子どもたちにさまざまな体験を与えていきます。どんな体験もある種の面白さが伴い、子どもの興味を呼びます。したがって極めて大きな武器となります。それだけにあまり安易に体験だけにとらわれると、面白くなければやらないというようなことにもなりかねません。今日の子どもたちの体験は、本物を目の当たりにして、指揮者になった子。ピアニストになった子。いずれも感動したのではないでしょうか。

 私たちは、体験という学びの環境を与えるときにも『感動』ということも考えて準備します。

 例えばそれは、困難を克服したときの熱い感動などもその一つです。