平成18年12月22日

学習状況調査報告

                                          横浜市立 市沢小学校
                                               大竹 史男

  横浜市教育委員会では、本年度より、市立小中学校児童生徒の学習状況の現状を把握し、義務教育9年間を通しての学力向上を目指して、学習状況調査を実施することになりました。

 実施の目的は、次の通りです。
  ア 横浜市教育委員会としては、学力向上を目指し、学習状況を生活意識などと絡めて、
   分析的・総合的に把握する。
  イ 各学校としては、教科指導や教育評価などの改善に生かす。
  ウ 児童生徒としては、学力向上に向けて自己評価や自らの学習の改善などに生かす。

  それを受けて、市沢小学校でも学習状況調査を実施致しました。
この度、調査結果がまとまりましたので、その分析と、今後の改善策を報告いたします。本年度は、各学年の国語、算数を柱に分析を行いました。




各学年の分析と改善策

2年国語

 おおむね満足できる点」としては、「書くこと」でした。「書くこと」の中でも特によいのは、「事柄の順序を考えながら、語と語や文と文の続き方に注意して書く。」でした。(90%)
 また、「
言語事項」の中の「主語・述語の照応に注意して読むことができる。」(97%)「文の中で、配当漢字を正しく書くことができる。」(83%)も満足できる結果でした。
 努力を要する点」としては、「読むこと・説明文」「読むこと・物語文」でした。(47%)特に、書かれている事柄の大体を読み取ることや、登場人物の気持ちと物語の展開をとらえる問題に対して不十分でした。(21%)また、「言語事項」の中の、「正しい筆順で文字を書くこと」がやや不十分でした。(52%)










2年算数

 おおむね満足できる点」としては、「表現・処理」、特にその中でもよいのは、ものの位置を表すこと(95%)と、計算領域でした。(93%)また、「知識・理解」の中の、繰り上がりのあるたし算の仕方を、半具体物の操作と関連付けて理解することができました。(96%)
 努力を要する点」としては、「数学的な考え方」でした。中でも「数表をみて、数の並び方の規則性」を問う問題は、できましたが(79%)、「被加数を分解することによって、計算の仕方を考える」ことに関しては、十分とは言えませんでした。(31%)
 また、「知識・理解」の中の「立体を構成している面の形」についても不十分でした。(34%)














3年国語

 国語の観点は言語に関する知識・理解・技能」「書くこと」「読むことの三つがありました。
おおむね満足できる点」としては、言語に関する知識・理解・技能「書くこと」の2観点でした。
 「言語に関する知識・理解・技能」の中で特によかったのは「平仮名を正しく使うこと」(正答率:92%)、「丁寧な言葉と普通の言葉との使い方の違いが分かること」(95%)「文章の中から片仮名で書く言葉を見付け、正しく書くこと」(89%)、「文の中で助詞を正しく使うこと」(89%)でした。
 「書くこと」の中で特によかったのは「事柄の順序を考えながら、語と語や文と文の続き方に注意して書くこと」(92%)でした。「自分の考えが明確になるように、簡単な組み立てを考えること」(43%)は不十分でした。
 努力を要する点」としては、「読むこと」でした。
 読むこと」の中では、「話題に沿って、書かれている事柄を読み取ること(説明文)」(27%)と「場面の様子などについて、想像を広げながら読むこと(物語文)」(27%)が不十分でした。


これらの結果を受けて
    3年生の「書くこと」では「自分の考えが明確になるように、段落相互の関係を考えるこ
 と」が大切になってきます。段落ごとにカードにまとめる等して、文章の構成を考えられ
 るようにし、段落と段落との続き方に注意しながら書くことができるようにしていきま
 す。

    読むこと」全般では、文章の内容を理解するために普段の授業の中で音読を大切にし
 ていきます。
    3年生の説明文では「中心になる語や文をとらえること」も大切になってきます。サイ
 ドラインを引いたり、抜き書き(その言葉をノートに書くこと)をしたりすることで、中
 心になる語や文に気を付けられるようにしていきます。



3年 算数

 算数の観点は「表現・処理」「知識・理解」「数学的な考え方」の三つがありました。
おおむね満足できる点」としては、「表現・処理」と「知識・理解」でした。
 表現・処理」の中で、特によかったのは「2位数+2位数=3位数で、繰り上がりのある計算をすること」(80%)と「与えられた条件の中で、三角形を作図すること」(81%でした。
 知識・理解」の中で、特によかったのは「●を用いた絵グラフのよみ方が分かること」でした。(82%)しかし、「減法の逆として加法を用いる場面で、これに対応したテープ図の表し方と答えを求める式が分かること」は不十分でした。(45%)
 努力を要する点」としては、「数学的考え方」でした。その中でも「1つの○や●を、一や十、百、千に置き換えてみることにより、数の相対的な大きさをとらえること」(29%)と「数のまとまりをとらえ、図と求め方を結び付けて考えること」(31%)が不十分でした。


これらの結果を受けて
    テープ図や線分図は問題の演算決定(加減乗除のどの計算にするか決めること)の手が
 かりになります。かけ算やわり算の問題で子どもたちが活用できるように指導
をしていき
 ます。

    3年生でも、数を十や百、千のまとまりとしてとらえることは大切になってきます。計
 算の時に、「位」に気をつけるようし、意識できるようにしていきます。

    かけ算やわり算では、図と式を結び付けることで、式がどのようなことを表わしている
 のかを理解し、問題に活用できるように指導していきます。



4年国語

  おおむね満足できる点としては、言語事項「書くこと」でした。
言語事項の中でも特によいのは反対の意味を表す言葉が分かる」「へんとつくりを組み合わせ、正しい漢字を作ることができるでした(89%)
 また「書くこと」の「書こうとすることの中心を明らかにしながら、段落と段落の続き方に注意して書くことができる」はよくできました。(92%)けれども、この作文の「なか」の部分に書くとよいものを選びなさい」といった「書く必要のあることを選ぶことができる」に関しては、やや不十分でした。(58%
 努力を要する点」としては、「読むこと」の中でも「説明文」でした。(36%)その中でも「文章に書かれていることをまとめることができる」(50%)は、やや満足できますが、「段落の要点が分かる」(27%)は、不十分でした。


これらの結果を受けて

・ 国語辞典を多く使用して言葉の意味を理解させたり、新出漢字の習熟を図ったりしてい
 きます。

・ 説明文では、接続語や指示語、文末などに気をつけて、段落相互の関係を読み取るよう
 にし、キーワードに着目してから叙述に即して読み進められるようにしていきます。ま
 た、大事な言葉から要点がまとめられるようにします。




4年算数                                                 

  おおむね満足できる点としては、表現・処理、特にその中でも良いのは、計算の領域でした。(7%)3けたのたし算の計算(89%)かけ算の筆算(81%)あまりのないわり算の計算(84%)でした。
 努力を要する点としては、数量や図形に関する知識・理解数学的な考え方が揚げられます。
 数量や図形に関する知識・理解においては、「重さの量感をもとにはかりたいものに合った適切なはかりの選び方」といった設問は、その中でもよくできましたが(80%)、「除法の式にあてはまる具体的な場面が分かる」という設問に対しては、不十分でした。(32%)図形に関する問題は全体的にできていました。(60%)
  また、「数学的な考え方」では、その中でも「重さを任意単位のいくつ分で測定する方法は、かさの単位の場合と同じであるとみることができる」といった設問は、よくできました。(45%)しかし、「操作から、等分除も包含除も同じわり算の式で表せることが分かり、式と解き方の図を結びつけて考えることができる」に関しては、十分とは言えませんでした。(21%)


これらの結果を受けて

・ 引き算やわり算の正確な計算ができるように計算練習の時間を増やします。
・ 式を立てるときに、場面と式が結びつくように図で表すことや、言葉と数字の対応を考
 えることなどの大切さを指導していきます。

・ 比較的できている図形に関する問題については、用語や書き方を身につけて正答率がよ
 り向上するようにします。
 




5年国語

  おおむね満足できる点としては、言語事項書くことでした。
言語事項の中でも特によいのは「読字」でした。(93%)しかし、熟語の成り立ちを理解する問題に対しては、不十分でした。(19%
 書くことのなかでも「次に続く文を選びなさい。」といった「書こうとする中心を明確にしながら段落と段落の続き方に注意して書くこと」が特に良くできました。(87%  しかし、「この作文の「なか」の部分に書くとよいものを選びなさい」といった「書こうとすることの軽重を考え整理すること」に関しては、やや不十分でした。(41%
 努力を要する点」としては、「読むこと」の中でも「説明文」でした。その中でも「段落の要点をとらえること」(58%)は、おおむね満足できますが、「文章の内容のまとまりを考えて5つに分けなさい」といった「段落相互の関係に注意して、文章の組み立て を理解すること」(27%)は、不十分でした。


これらの結果を受けて

・ 言葉のきまりを意識させたり、新出漢字の習熟を図ったりしていきます。
・ 説明文では、接続語や指示語、文末などに気をつけて、段落相互の関係を読み取るよう
 にしたり、キーワードに着目してから叙述に即して読み進められるようにしたりしていき
 ます。
 





5年算数                                                 

  おおむね満足できる点としては、表現・処理、特にその中でも良いのは、計算領域でした。(82%)しかし、「指定された大きさの二等辺三角形を書きなさい」といった作図の力はやや劣りました。(56%

  努力を要する点としては、数量や図形に関する知識・理解数学的な考え方」 が揚げられます。

  数量や図形に関する知識・理解においては、「面積が4?の図形を選びなさい」といった設問は、その中でもよくできましたが(71%)、小数の計算の仕組みや式の表す意味や順序を問う設問に対しては、不十分でした。(16%
  また、「数学的な考え方」では、その中でも「伴って変わる2つの量の変わり方に着目 し、対応する数量の値を考えなさい」といった設問は、よくできました。(81%)しかし、「数量の関係を図や問題から読み取り、問題を解く式を考えたり、複合図形の面積の求め方を図や式と対応させて考えたりすること(22%)に関しては、十分とは、言えませんでした。


これらの結果を受けて
・ 作図や計算練習をただ反復練習で終わらせるのではなく、仕組みを理解させた上で習熟
 を図っていきます。

・ 式のもつよさが分かるようにし、小数の計算、分数の計算、大きな数の数え方を別のも
 のとして指導するのではなく、つながりを持って指導していきます。

・ 
知識・技能、すでに学んだ解決方法などを使って 新たな問題を解く力を身に付けさせていきま
  す。



6年国語

評価の観点は「言語に関する知識・理解・技能」「書くこと」「読むこと(説明文・物語文)」の3観点になります。
 「おおむね満足できる点」としては、言語に関する事項の中の国語辞典を利用して調べる方法が挙げられます。91%の正答率でした。また、複合語の組み立ての理解についても97%の正答率となっていました。漢字の成り立ちについては34%の正答率で、理解がやや不十分となっています。
 書くこと」についてはおおむね70%以上の正答率となっており、安定した力を発揮しています。
 説明文の読み」の、文章の要旨の読み取りの正答率は28%で、理解がやや不十分となっています。
 物語文の叙述に即した読み」では、91%という高い正答率でした。


これらの結果を受けて
 漢字の学習では「成り立ち」などに留意しながら丁寧な指導をしていきます。
・ 書くことについてはこれからも指導事項を常に考えながら折に触れて作文や詩作、短歌
 ・俳句作りに取り組んでいきます。

・ 
説明文の読み取りについては、文章の要旨を正しく読み取らせながら、文章の組み立てを理解
  していけるように指導していきます。



6年算数

おおむね満足できる点は「表現・処理」の分野でした。「仮分数−仮分数」(88%)や「帯分数−真分数」(75%)などの分数の計算は高い正答率でした。平行四辺形の作図では69%の正答率でした。公式を用いて円の面積を求める問題では、やや不十分で41%の正答率でした。
 知識・理解」の直径長さと比例関係にあることを利用して円周の長さを求める問題では、88%の正答率がありました。また、三角形の面積を求めるときの底辺と高さの関係の理解についてはやや不十分で38%の正答率でした。
 数学的な考え方」の対角線の性質を使って四角形について考える問題では66%の正答率でした。


これらの結果を受けて
 ただ計算練習をするだけでなく、見積もりを予め立てたり、途中の計算を丁寧に見直し
 たりするようにして、どこでつまずいたのか、子どもたちが自分で把握できるように指導
 していきます。

・ 
分数の計算では、分数の計算の意味をしっかりと理解させながら指導にあたります。
・ 
図形の学習では、見取り図や展開図などの作図方法や手段を確認しながら、確実に身に
 つけられるようにしていきます。
・ 
公式をただ用いるのではなく、なぜその公式を使うのか、どうやってその公式が導き出された
  のかなどを理解しながら学習を進めていくことができるようにしていきます。 



まとめ

国語では、どの学年においても読む力が課題となっています。音読を中心にすえながら、学校全体として、読書活動にもますます力を入れて生きたいと考えています。
 また、算数では、数学的な考え方が課題になります。前学年までの基礎基本を大切にすることで、新しい課題に取り組む手がかりをしっかりつかませたり、いろいろな見方や考え方ができたりできるようにしていきます。
 さらには、この調査をひとりひとりに応じた指導に役立てて、きめ細かい指導を心がけていきます。

これらの結果を受けて
 ・ 正しい筆順を意識させながら、新出漢字の習熟を図ります。
 ・ 叙述内容に即した読みや、想像的な読みを深めるために、音読を多く取り入れていきます。
 ・ 書こうとする題材に必要な事柄を取材・選択することで、より豊かな表現になることを感じ取れる
  ようにします。
これらの結果を受けて
足し算をする手がかりとなる考え方の一つとして、加数や被加数を分解する方法を取り
 上げていきます。

生活科や図工などで箱を扱う際に、箱の面に色紙を貼ったり、箱の向きを変えて目的に
 応じて利用したりする活動を通して、立体を構成しているいろいろな面の形に着目できる
 ようにします。

すでに学んだ解決方法を使って、新たな問題を解く力を身につけさせていきます。