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みんなのおかげです
学校長 熊田 松雄
とうとう三月。今年度も今月を残すのみとなりました。
先週まで六年生を6、7人ずつ校長室に招いて一緒に給食をとりました。 六年生全クラス終えたところで、この三月となりました。 一人ひとりの六年生と言葉を交わしながら、素敵な子どもたちだなあとしみじみ思いました。 節度(せつど)あり、楽しさあり、生き生き感あり。すくすく伸びゆく子の姿を見るのは、教師冥利(みょうり)につきます。 どの子もきっと、これまでの学校生活の中で、多くのことを学び、さまざまな失敗をくりかえしながらも、 それを豊かな体験としてたくましく吸収してきたんだなあと思いました。子どもというものはまるで、 自らの力で耕(たがや)して進む耕運機(こううんき)のようでもあります。 学校は「勉強」するためだけにあるのではありません。学校という空間で「生活」をするところでもあります。
文字通り、クラスは暮(く)らすところなんですね。 この1年間、それぞれの教室では、クラスメイトとともに一緒に笑い、
泣き、喜び、いら立ち、競い合い、協力し合ってきました。そういう学校生活を通して、
はじめて人はわかり合えるのでしょう。人は人の中でもまれ、ほぐされ、
ためされ育てられていきます。自分にとって何もかもが都合がいいことはありません。がまんもし、
伝えきれないもどかしさもあるけれど、やはり友の存在は大きい。そうだよね、わかるよなぁという声に励まされ、
これはやっちゃいけないよの一言にはっと気づく。友あればこそ、クラスの暮(く)らしあればこそ。 三月。
いまでも印象に残る風景があります。修了式が間近に迫ったある日。帰りの会のことです。
一人の男の子が手を上げて前に進み出てきました。 『みんなに言いたいことがあります。
仲良くしてくれてありがとう。みんなのおかげです。』ぺこりとおじぎをして席に戻りました。一瞬(いっしゅん)、
ぽかんとしていたみんなもその気持ちが伝わるとどっと温かい雰囲気となりました。そのひと言で春風を人の心に吹き込んでくれました。人間っていいものですね。 3月17日、99名の6年生が本校を巣立ちます。自分の持てる力を精一杯発揮してくれた6年生たちです。人の心にいつも春を呼び込むような人であれと願っています。春はもうすぐそこに。 (2006.3月号)
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