神奈川小学校は、横浜みなとみらい地区を対岸に眺め、旧東海道沿いにある横浜開港にちなむ歴史文化旧跡の点在する学区をもつ創立130年目を迎える学校です。          
 本校では、「子どもたちが安心して学べる学校づくり」を具現化することが、保護者・地域に信頼される学校、じっくりと学び確かな力を定着させる学校につながるとして、【子どものいのちは、私たちが守るという危機管理の徹底】という具体方針のもと、学校・家庭・地域が一体となって活動しています。

T 子どもの安全・安心は、地域・学校ぐるみで
 近年、子どもたちが犯罪に巻き込まれたり、被害を受けたりする事件報道が全国各地で発生しております。神奈川地区連合自治会としても、「まち」として何ができるだろうかと話し合っていたところ、昨年度末に、文部科学省の「地域ぐるみの学校安全推進事業」の委嘱を契機に、神奈川小学校・幸ヶ谷小学校を自治会区にもつ本会として活動を進めてまいりました。  
  神奈川地区連合自治会では、これまでも、「神奈川」の豊かなまちづくりに関し、防犯や防災の面を中心に諸活動を展開してきました。「子どもの安全・安心」については、主にスクールゾーン協議会運営が中心となる取組でありましたが、今回改めて、「子どもの安全・安心をどうするのか」を主眼としたとき、これまで以上に、地域・行政・家庭・学校の連携が必要であることや、そのための地域住民との日々のかかわり合いの大切さを再確認したところです。    
 これからも、本年度推進してきたことを生かして、私たちみんなの願いである「子ども・地域の人たちが、健康で安全・安心して毎日を過ごすために」を合言葉に、地域・保護者・学校の連携・協働をもとに取り組んでいきたいと思います。 
 これまでの関係諸機関のご協力に対し心より感謝申し上げます。
推進委員会委員長  伊 東  満

U 地域ぐるみの学校安全推進活動の経緯
 学校内外で子どもの安全が脅かされるような事案が相次いで起こり、ついには、大阪・池田小学校の児童殺傷事件が起きてしまいました。全国的にも学校の防犯に対する関心が高まり、その具体的な対策がとられる中、横浜市でも不審者から子どもが被害を受ける事案が起こってしまいました。横浜市教育委員会でも、これらの防止並びに児童・生徒の安全の徹底を図るねらいから、各学校に「学校の防犯マニュアル」を作成・配布されました。
 本校でも、子どもたちが安心して学べる学校づくりは、「保護者・地域に信頼される学校」「じっくりと学び、確かな力を定着させる学校」につながっていくととらえ、必要に応じてそれらの具現化に向けた対策を講じていました。
 そのような折り、文部科学省の「地域ぐるみの学校安全モデル事業」実践校として委嘱を受けたことから、「学校・家庭・地域」が一丸となり、系統だった計画的な安全対策を地域ぐるみで推進していくこととなりました。

V 「安全・安心な学校づくり」に向けた取組から
 「子どもの安全・安心」は、これまでも学校・家庭・地域が一体となり、その徹底に向けた取組を行ってきたところです。とりわけ、平成16年度は、「文部科学省地域ぐるみの学校安全モデル事業」委嘱校でもあり、本校としては、これを契機に、学校・家庭・地域の連携のもと、次にあげる具体的な内容を中心に取り組んできました。

1 「安全・安心な学校づくり」に向けた取組事例
(1) 施設等の充実(ハード面)
  @ 門扉、電磁錠、防犯カメラ・モニター・レコーダー・・・・・・・・・・・・・・・・写真1
A 通用門センサー(モニター確認用)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・写真2
B 緊急時校内連絡システム(巡回発信器・発信場所受信表示器)・・写真3
(2) 身に付けさせたい力の教育の充実(ソフト面)
  @ 教職員、保護者・地域関係者による組織的対応
A かな小レスキューマップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・図表1
B かな小学びのマップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・図表2
C 防犯教室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・写真4
D 交通安全教室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・写真5
E 子ども安全マップづくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・写真6

<資料>ハード面の整備
写真1:防犯カメラ・モニター・レコーダー
写真2:通用門センサー
   
写真3:緊急時校内連絡発信場所受信表示器
写真2:通用門センサー受信機

(1) 身に付けさせたい力を明確にした取組
   子どもの安全は、前述した組織的対応及び施設面の充実に則りながらも、特に、「子ども一人ひとりが危険予知したときの危機回避行動がしっかりとれること」を重視して取り組んできました。 
(2) 危機回避能力を定着させるための教育計画の編成
   子ども一人ひとりに危機回避能力を身に付けさせるためには、意図的・計画的な指導ができる教育計画が必要ですが、それらの計画案が実際、「子どもが、危険予知した際に、危機回避行動につながるか」を視点に、内容・方法の運営・改善を行っています。

図表1:かな小レスキューマップ

@ 防犯マップづくりから
   かな小レスキューマップ(図表1)は、こども110番、防災を視点に、PTA地区委員の方々を中心に作成されたマップです。なお、子どもたち一人ひとりが、神奈川のまち・神奈川の人に学ぶことにより、各自の安全に関する意識高揚並びに危機回避能力の定着につなげるため、次に示すような、各学年児童による教科学習の発展や総合的な学習の時間の内容との関連を図りつつ活動を展開しています。 子どもの安全は、前述した組織的対応及び施設面の充実に則りながらも、特に、「子ども一人ひとりが危険予知したときの危機回避行動がしっかりとれること」を重視して取り組んできました。

図表2:かな小学びのマップ

A 学びのマップを活用したまち探検から
   「子どもの安全は、神奈川のまちを知ることから」をねらいに、学びのマップ(図表2)を活用した地域学習を行っています。      
 子ども一人ひとりに危機回避能力を身に付けさせるためには、意図的・計画的指導ができる教育計画が必要ですが、それらの計画が実際、「子どもが、危険予知した際に、危機回避行動につながるか」を視点に内容・方法の運営・改善を行っています。

写真4:防犯教室のようす
 

図表3:朝日新聞社提供

B 防犯教室の実施から
   子どもたち一人ひとりへの危機意識の高揚並びに危機回避行動がとれることをねらいとしたケーススタディーを(図表3の内容)実施しています。本年度は、民間会社(警備会社)の協力のもと、全学年で防犯教室が実施(写真4)できました。

C 通学路での交通安全教室から
   登下校の安全の意識高揚と正しい行動をねらいに、低学年は正しい歩行、中・高学年は、正しい自転車の乗り方を中心として、現地での交通安全教室を、神奈川警察署並びに地域の交通安全指導員、PTA地区委員の方々との連携で開催しました。日頃生活している場所とはいえ、「正しい交通マナー」を意識しての交通教室は、子どもたちにとってもたいへんよい学習となりました。

D 地域安全マップ発表会から
   高学年の子どもの目でまちをどのようにとらえ、どの箇所が気を付ける場所かを調査し、各グループごとに発表会を行いました。子どもたちだけでどこまでを見つけてくるのかを疑問視する声もありましたが、どの発表内容も、「なるほど」と感心する内容がありました。
  子どもの目でまとめられた資料は、今後もさまざまな学年で活用していくこととしました。

 大阪・池田小学校の不審者侵入による事件以後、全国各地で子どもが被害を受ける事件が多発し、市内の小学校でも同様の事案が起こり、保護者としては「子どもの通う学校は大丈夫か」と心配でした。
 市・区PTA連絡協議会でも緊急課題に取り上げられ、具体的に何ができるかが話し合われている中、本校は、文部科学省の委嘱事業をきっかけに、他校に先がけて具体的な取組が、はじまりました。特に、校外委員の方々が「子ども110番」をお願いするお宅との連絡・調整のお陰で、「かな小レスキューマップ」ができあがりました。マップを手に取り委員の方々から、「マップ作成でまちの方々と話をするときがあったが、快く承諾いただいたことに加え、子どもたちが、いろいろな方々に見守られていることが嬉しかった」ということでした。そのような中、一番に感じたことは、年度当初に比べ、子どもたちが、まちのことをよく知っていることがあります。また、まちの人たちとも何かしらつながりができてきているのではないかということがあります。たいへん素晴らしいことと同時に、子どもたちの安全・安心のために、まちの方々はもとより、保護者としても豊かなかかわりをもっていく必要性を改めて感じました。
神奈川小学校 PTA会長   齊 藤 浩 之

W 成果と課題
 子どもに危機回避能力を身につけさせることを目標に据え、さまざまな方法を模索しながら実践をしてきました。本校での実践を進める中で、「安全教育の基本は人間教育、全人教育にある」ということが分かったことが実践の成果であると考えます。                       
 具体的には、日々の生活において「あいさつをしっかりする」や「時と場合を考えた言葉遣いを考える」、「人の話をきちんと聞く」、「さまざまなことに関して他人を思いやる」など、いわゆるコミュニケーション能力を身に付けることに関して、自分で考え判断し行動するといった、「自分らしく生きる」ことを実感する子どもの育成であると思います。そのことにより、いくつかの危険は子どもたち自身で回避できるのではないかと考えている訳です。ただ、こうしたことは、ついつい甘くなるものであり、今後は、それらをどのように充実させ、継続させていくことができるのかが今後の大きな課題となるように思います。その改善策として現在考えているのが、来年度導入を計画している、「子ども110番」の家庭にプランターを置き、みんなで植栽をしていこうとする試みです。子ども110番の家があっても、いざという時に子どもたちが駆け込めるかどうかは、その家に住む人を知っているかどうかで大きく違ってくると思うからです。子どもも保護者も地域の人もみんなで花を育てながら交流を持つことにより、子どもたちも地域の一員としてまちを担う役割を意識することができますし、安心して助けを求めることもできると思います。設備等ハード面の整備も今後、校門にテレビモニター付き電磁錠の設置を検討しています。
 いずれにしても、想定される危険要因については、「子ども一人ひとりの安全管理」を視点に改善していきたいと考えています。

委 員 長 神奈川自治連合会長 伊 東 満    
委 員 神奈川自治連合副会長 片山荘平 神奈川自治連合副会長 豊崎昭三
委 員 神奈川自治連合役員 鳥海貞三郎 神奈川自治連合役員 萩原正明
委 員 神奈川地区青少年保護司 加藤勇治 神奈川区西浜自治会長 清水関雄
委 員 神奈川保育園長 小池智寿子 浦島保育園長 越水貴映子
         
委 員 神奈川小学校 PTA会長 齊藤浩之    
委 員    同   校外委員長 阿久津久江    
委 員    同   副委員長 中村千草 小山さとみ  
         
委 員 浦島丘中学校 校長 伊藤  幸ヶ谷小学校 校長 小島 勝
委 員    同   生徒指導専任 今井雅彦    同    児童指導 永里美智子
委 員    同   PTA会長 山本博明    同   PTA会長 松田成広
         
委 員 神奈川小学校 校長 山ア信也    
委 員     同   副校長 小椋つや子    
委 員     同   教務主任 上 田 尚 朗    
委 員     同   児童指導 川 村 良 児