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親   の   喜   び

学校長  谷川  克

入学式の頃には花の後に、豆粒大の梅の実ができていましたが、もうウズラの卵くらいの大きさになって来ています。季節の移り変わりを感じます。

さて、先日「子どもが育つ魔法の言葉」という本を読みました。ドロシ・ロー・ノルトさんという教育学者の方が表した一冊ですが世界中で100万部も売れたという家庭教育書です。
私もこの本に30年も前に出会っていれば、自分の子育ての方法も随分と違っていたのではないかと思ったものですが、この本を読んでみて、「そのとおりだ」と素直に受け入れられるところと、「親としていつも鏡を意識するということは、厳しいものがあるなあ」という正直な気持ちをもちました。

しかし、子育てをしていく上において、また子をもつ親にとってこの本は、目指す鏡となることは間違いないようです。著者が伝えたかったのは、このような事です。

子どもは常に親から学んでいる。「ああしなさい」「こうしなさい」という親の躾の言葉よりも、親のありのままの姿の方を、子どもはよく覚えているものなのです。親は人生で最初に出会う「手本」なのです。毎日の生活の中での親の姿や生き方から、よいことも悪いことも全て吸収するのです。親がどんな風に喜怒哀楽を表すか、どんな風に人と接しているか等々、その親の姿が、お手本として子どもに生涯影響力を持ち続けることになるものです。

子どもはみな個性豊かで、自分で何かを創り出し、ものを考える力をもっています。親の喜びは、子どもの個性を伸ばし、生き生きとした日々を過ごすことを見守ることができることではないかと考えさせられました。学校でも同じことが言えます。このことを大切にして日々の子どもとのかかわりや支援の仕方について考えていきたいと思います。

子は親の鏡

けなされて育つと子どもは人をけなすようになる。

とげとげした家庭で育つと子どもは乱暴になる。

不安な気持ちで育てると子どもは不安になる。

「かわいそうな子だと」言って育てると

子どもはみじめな気持ちになる。

子どもを馬鹿にすると引っ込み思案な子になる。

親が他人を羨んでばかりいると

子どもも人を羨むようになる。

叱りつけてばかりいると子どもは

「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう。

励ましてあげれば、子どもは自信をもつようになる。広い心で接すれば、キレる子にはならない。

ほめてあげれば、子どもは明るい子に育つ。

愛してあげれば、子どもは愛することを学ぶ。

認めてあげれば、子どもは自分が好きになる。

見つめてあげれば子どもは、頑張り屋になる。

わかち合う言葉を教えれば、

子どもは思いやりを学ぶ。

親が正直であれば、

子どもは正直であることの大切さを学ぶ。

子どもに公平であれば、

子どもは正義感のある子に育つ。

やさしく思いやりをもって育てれば、

         子どもはやさしい子に育つ。

見守ってあげれば、子どもはやさしい子に育つ。

和気あいあいとした家庭で育てれば、子どもは

この世はいいところだと思えるようになる。