横浜市立霧が丘第三小学校Web:ホームページへリンク

ホームページ危機管理index>学校での取組>誰もが安心して豊かに生活できる学校づくり実現のために
  2005-03-25 rev.1 2005-09-30 rev.5

安全安心学校づくりタイトル
 

光化学スモッグ | 誰もが安心して・・・ | 食物アレルギー対応 | 環境に優しい学校 |


だれもが安心して豊かに生活できる学校づくり実現のために
 
 

 子どもたち一人ひとり、「安心」の状態、「豊か」な状態は違います。ですから、目の前の安心できていない子が、その子にとって安心できる状態になる取組、その子にとって豊かになる取組を実現することが重要です。その取組を繰り返すことで「一人ひとり」が安心できるようになり、また豊かになり、「だれもが」につながると考えています。
 本校では以上の考えを基本にして、子どもたちが安心して生活できる学校づくりに向けて具体的に取り組んでいます。主なものは次の通りです。

(1) 毎月の職員会議・児童指導に関する会議(目の前の安心できていない子どもたちの状態を改善)
   ・解決に結びつくような情報交換
   ・具体的な改善策を検討
   ・状況改善に結びつく研修
(2) 学年担任制の採用
   ・教職員全体で見ていく
   ・担任ひとりだけではなく、教職員集団で解決
   ・学級の枠を超えていつでも複数の目で子どもたちに接する
(3) 保護者・地域の皆さんが授業に参画
   ・まちの先生
   ・読み聞かせ、授業補助などのボランティア
(4) 専門家の参画、関係諸機関との連携
   ・カウンセラー
   ・特別非常勤講師
(5) 懇談会・面談等のあり方の検討
   ・少なくとも年1回は三者面談を採り入れます。
   ・臨時の参観、授業参画を歓迎します。

  しかし、とても残念なことではありますが、時折、落書きやいじめなど児童間のトラブルが発生することがあります。
 例えば、近隣の公園や校内にいたずら書きがされたことがありました。書かれる方の気持ちに少しでも配慮できたら、決してこのようなことは起こりません。
 複数の子どもが、繰り返し、相手がいやがる言動を続けたなどのいじめが起きたこともありました。絶対に許してはならないことです。また、面白がって見ていたり、見て見ぬふりをしたりすることもいじめを助長してしまうことに気づかせる必要があります。
  これらについて抜本的に改善するためには、ご家庭の皆さんの協力が是非とも必要です。安心できていない子は、何かしら「サイン」を出すものです。そのサインを見逃さないようにお互いに連携していきたいのです。ご協力をお願いします。


 このページの作成にあたっては、(横浜市)教育長通知、(横浜市、神奈川県)教育委員会発行の各種資料、横浜市で行われた研修会の資料の一部を引用したほか、次の文献を参照しました。念のため申し添えます。(確認できるもののみ)
   □「いじめ」指導読本  1994.3.1 教育開発研究所
   □いじめ問題ハンドブック 1995.6.10 日本弁護士連合会 こうち書房
   □子どもをいじめから救うために 1995.12.05 家庭問題情報センター 日本評論社 

■いじめについての本校の考え

 | 認識 | 特性 | 傾向・実例 | 保護者 | 指導の方針 |

いじめについて認識をはっきりともつ必要があります。
 

 いじめとは、「学校及びその周辺において、(児童)生徒の間で、一定の者から特定の者に対し、集中的、継続的に繰り返される心理的、物理的、暴力的な苦痛を与える行為を総称するもの」とされています。暴力を伴わないいじめがあること、学校だけでなく、登下校時、遊びの時間、塾の時間など、学校周辺で発生する場合があることに留意する必要があります。また、いじめている子の訴え、保護者の訴えを最優先する必要もあります。(すぐに対処することが何よりも大切です)
  いじめであるかどうかは被害を受けている子どもの受け止め方で判断するのが基本です。教師は困っている子の味方であり、それは「ひいき」ではありません。どの子でも困っているときには手をさしのべ、対応するのが教師としての基本的なあり方です。
 はじめの文章にあるように、子どもたち一人ひとり、「安心」の状態、「豊か」な状態は違います。ですから、目の前の安心できていない子が、その子にとって安心できる状態になる取組、その子にとって豊かになる取組を実現することが重要です。その取組を繰り返すことで「一人ひとり」が安心できるようになり、また豊かになり、「だれもが」につながると考えています。』とある部分につながります。

   
いじめの特性を知る必要があります。 〜 継続性、転移性とエスカレート 〜
 
○いじめは見えにくい面があります。
○水面下で継続したり、対象が変わったりし継続することがあります。
○度重なることでエスカレートすることがあります。
○一部しか表面化しない場合があります。
○いじめの標的にはだれでもなりえます。いつ自分に降りかかるかわかりません。
○いじめは転移します。加害者が被害者になったり、対象が変更されたりし、新たな被害者を生み出すことがあります。誰でもいじめ側になる場合があります。
○まれに、いじめているという認識が全く欠如している場合があります。
 これらの特性をつかみ、対応することが必要であると考えています。
   
いじめの傾向と訴えの例
 
○グループ化 大きなグループが孤立者、小グループ所属者をいじめる構造があります。
○出る杭も引っ込む杭も打たれます。異質なものを排除するという傾向があります。
○多重構造化し、当事者以外への対処が必要になる場合が多いです。
 ・加害者 直接の当事者 (口火を切った、追随した、手を出した、黙認した)
 ・観衆  はやし立てたり面白がったりしてみている。
 ・傍観者 見て見ぬふりをする、危ないものに近づかないようにする。
 ・共感者 心情的に被害者の側に立つが、害が自分に及ぶ不安などから傍観者となる。
 ・被害者 直接の当事者 (いじめられていると感じ、苦しむ)

次に具体的な例を示します。

(1) いじめられている子の訴えの例
   怖い、悲しい、情けない、みんなが冷たい、先生は頼りにならない、学校へ行きたくない、転校したい、死にたい、しつこい、やめてほしい、ほっておいてほしい。
     大したことはないなどと軽い判断ですませることは禁物です。サインを発見したら直ちにその子に対してのケアや家庭連絡、状況調査を開始する必要があります。小さいいじめのうちに対処することが何よりも大切なことです。子ども時代というのは生のままでぶつかる部分が多いですから、どうしても軋轢が生じがちです。そういう現実を受け入れる必要があります。大切なことはきちんと処置すること、過ちを繰り返さないように導くことです。もちろん、事実をご家庭にお伝えするようにすることも大切です。

(2) いじめている(と見なされる)子の発言の例

   ちょっとふざけているだけ、すぐ怒る、すぐ泣く、先生に言いつける、怖がる、一緒にやらない、みんなやってる、ほかの子もやっている、ぼく(わたし)だけじゃない、注意しただけ、勘違い、反応が面白い、困っている様子が楽しい、相手だって良くないところがある、お互い様、いい子ぶる、生意気……
     いずれも、自己の行為に対しての言い訳にすぎず、それでもって「良くない行為をした」事実が消えるわけではありません。このような言い訳を許すと、本人のためになりませんし(言い訳が通ることを学習する)、いじめを助長してしまうことになる場合が多いので注意が必要です。また、まれにですが、子どもによっては自分の行為を「いじめ」と認識していない(認識できない)場合がありますので、その点は十分指導する必要があります。もちろん、事実をご家庭にお伝えするようにすることも大切です。

(3)周りの子の行動や発言の例

   はやし立てる、面白がって見ている、見て見ぬふりをする、避ける、近づかない、どうしよう、かわいそう、慰める、関係ない、仕返しが怖い、先生が何とかしてくれる、自分もいじめられるかもしれない……
     周囲にいる子どもたちには、直接の当事者だけでなく、周りにいる子どもたちが取った態度が「いじめ」を助長していることに気づかせる必要があります。

(4)いじめられている子どもに現れがちな症状と対処

 

 学校へ行き渋る、身体的な不調を訴える、成績が低下する、情緒が不安定になることがある、家庭内で暴力をふるうようになる、金銭の使い方が乱れるなど

   

 いじめを受けている子のサイン(SOS)を素早くキャッチし、具体的な救済策を示すこと、人間としての尊厳を取り戻すことを最優先課題とします。
 いじめていると見なされる子(見えにくい面がある)について、その内面に即して究明し、取り除くことが必要です。遊び、ふざけ、けんか、いたずらなどを偽装することを許してはいけません。責任逃れも許しません。その行為のもとは何かをはっきりさせ、対処します。

(5)具体的ないじめの例

  ○心理的いじめ、暴力的いじめ
    (暴力行為そのものよりも、暴力を伴わず、相手がいやがるように、心理的に追い込むようなやり方が多い)
  ○学用品などを隠したり壊したりし、困っている姿を見て面白がって見ている。
    (落書き、からかいなども含む)
  ○無理やりいやがることをする。
    (繰り返し、執拗に相手がいやがる言動を続ける)
  ○親切の押しつけ、押し売りをする。
    (言動についていちいち口出しする)
  ○相手を人間と思わないような表現を使う
    (相手や周囲が傷つくような表現を繰り返す)

(6)状況によってはいじめられやすい傾向が見える場合があります。

  ○(再録)出る杭、引っ込む杭どちらも打たれる。
     気づいたら、(おかしいなと感じたら)すぐに対処する必要があります。

保護者として考えていただきたいこと
 
 特性の項目にも掲載しましたが、どの子でも加害者(被害者)になる可能性があります。もし、自分の子どもが加害者(被害者)の立場になったらという視点でお読みいただきたいと思います。
  ○外での様子は、普段の保護者の前で見せる様子とは異なる場合があります。ほんの一部の例外を除けば、どこでもいい子でいることはできません。家庭では課題があっても学校ではすばらしい場合もありますし、その逆もあるのが子どもです。そういう認識が必要です。(人間はどこかで息を抜くことが必要なのです)
  ○「いじめをしている」という現実と「日頃はいい子」ということをしっかり切り分ける必要があります。「いい子」と「いじめの加害者」ということは併存します。
  ○我が子かわいさから感情的になったりせず、子どもの人権を守る視点(相手側の立場で)に立って、(学校とともに)教育的に解決することが必要です。
  ○日頃言い訳をする保護者には、同じように言い訳をする子どもが育つと言われます。この点は保護者として十分気をつけることが必要です。
  ○子どもの前で悪口や批判、言い訳などを口にしないように気をつける必要があります。(このことで問題がこじれる場合が多いのが実情です)
  ○子どもをすぐ責めたりしないで、その話をありのままに冷静に聞くことが必要です。(加害者でも、被害者でも、子どもの言葉で語らせてください。ただし、言い訳は許さず、事実のみ語るようにさせることが必要です。)
  ○子どもの言い訳を保護者としての納得に結びつけることのないようにします。例えば子どもの言い分をそのまま認めかばうことや「いじめをしたけれども基本はいい子」などと一部を肯定し一部を否定することなどが、結果として子どもの健全な成長を阻害する場合が多いことに気づく必要があります。
  いけないことはだれがしてもいけない、人間として恥ずかしいことは決してしないなどの基本をきちんと身につけさせることは家庭教育の基本です。もちろん、学校教育の基本でもあります。子どもの発言に対しては、冷静に事実を判断する必要があります。
 子どもの発言を信じることは大切ですが、子どもは自分の都合の悪いことは言わないと言うのが実態です。「おうちの人にきちんと話しなさい」と教師に指導された子どもが、家庭に帰り、自分の失敗を話す例はほとんどありません。ですから事実は学年担任から直接お伝えします。
  ○現実を受け入れること、子どもと正面から向き合うことが、解決に向けた入り口となります。
  ○いじめている子の課題を明らかにする必要があります。特に心理状態をケアする必要があります。満たされない思いのはけ口としていじめに走る傾向が見受けられます。
  ○いじめの結果傷ついている子は、どのようになるかを具体的に示す必要があります。
  ○善悪の問題と切り離すことが必要です。
  ○「ここで対処できないと解決はできない」と考え、真剣に、直ちに対処する必要があります。
  ○親のプライド、メンツは捨てて対処することも必要です。「子どものため」と思うと、それができるのが親だと思います。
  ○「いじめ」という行為によって、親自身も傷ついていること、「いじめを解決するには、大人が必死に対処しなければならない場合があること」を明確に示すこと、「大人が謝る様子をはっきり見せる」ことなどが、子どもの心に「いじめ問題の大きさ」や「してはならない行為であること」をはっきり認識させます。
  ○いじめられている方にも問題があるという考えは誤りです。だからといって、いじめをしたという行為がなくなるわけではありませんし、正当性を主張できるわけでもありません。いじめという行為そのものを戒めるのが目的であることに気づく必要があります。(自己を正当化するための言い訳にならないように配慮する必要があります)
  ○いじめている子、いじめられている子、周囲にいる子、どの子どもたちも救うために一致した行動を取ることが必要です。
  ○仮に一つ一つは小さな事であったとしても、執拗に繰り返したり、集団化したりすることにより、相手を著しく傷つけてしまうのがいじめの構造の一つです。繰り返すことにより相手を追いつめてしまうのです。「相手のいやがることはしない」「自分がされたらいやなことはしない」「いけないことは誰がやってもだめ」というのがしつけの基本です。

いじめを発見した場合の子どもたちへの指導の方針
 
(1) その行為はいじめであること、人間として絶対に許せない行いであることを認識させます。
(2) いじめられた側の気持ちを相手の立場になって考えさせることにより、いじめをしていたという認識をはっきりともたせます。
(3) 注意を守れなかったり、陰で続けていたりする場合、その行為は卑劣であることを話します。
(4) 今後は絶対に繰り返さないことを誓わせます。
(5) 他の人に絶対に同じようなことをしないことを確認します。
(6) だれに対しても相手を傷つけるような言葉は使わない、自分が言われていやなことばは相手にも使わない、はやし立てたり安易に同調したりしないことを、そしてそれらはすべていじめになることを確認します。
(7) 再発した場合に取る手段についてはっきり伝えます。(警告の意味を含みます)
(8) 複数で行った場合は、個人指導と全体指導を並行して行います。
(9) 保護者への事実連絡をきちんと行うことを確認します。言いつけではなく、教師としての義務(仕事)であること、それがその子のためになることについて話します。

該当学年が取る基本方針

 
(1) いじめを含む様々な課題が浮かび上がったときは、解決のために、保護者面談、個別の子どもの指導、三者面談などを速やかに行います。
(2) 具体的な解決策が打ち出せるように学年として取り組みます。(学年単位で対応します)
(3) よいこと、課題を含めて、連絡を密に取り、小学生期の子どもたちの育ちが健全であるように配慮します。(事実を明確にお伝えします)
(4) 学校の他教職員の協力を要請し、全校体制で対処します。
(5) 児童指導に係る教育委員会等の研修会に積極的に参加し、研鑽を重ねます。

   いじめが全くない世界があるかというと、ないというのが実情かもしれません。むしろどこにでもあるのかもしれません。学校もその例外ではありません。しかし、なくすための努力、仮に起きたら小さいうちに対処していくこと、どの子も安心して過ごせる学校にすること、また、そういった問題に対処する方法を学ぶことは子どもたちにとってとても大切だと思います。私たちはお互いに連携して、学校を誰もが安心して安全に過ごせる場所にしていきたいと思います。(学校だからできることがありますし、家庭や地域だからできることもあります。協力することで実りも大きくなると考えます)
   
 

Copyright(C)2004-2006 Kirigaoka-daisan Elementary School.

戻る  危機管理indexにもどる  ページの先頭に戻る