編集・発行:霧三小 6月号   副校長:上地 孝明   


開港当時から今日も息づく日本人の徳性

 この冬韓国を旅行しました。年長者を尊敬し、礼を重んじる儒教の国であると本にありましたが、年配のガイドさんは、今時は、そういう伝統もすたれつつあるとしきりに嘆いていました。
 その帰り、成田からの電車の中でのこと。だれもが長い旅に疲れ、座席にぐったりと座り込んでいました。やがて混み始め、お年寄りが乗りこんできました。それに気付いた若者がさっと立って席を譲りました。感心しながら顔を見ると、同じ飛行機でやってきた韓国人の青年でした。
 年配者の嘆きはともかく、儒教の国の伝統はまんざらではないと見直しました。翻って私達日本人はどんな徳性を持っているのでしょうか。今から 140 年ほど前、横浜を訪れたトロイ遺跡の発見者ハインリッヒ・シュリーマンは、「シュリーマン旅行記 清国・日本」(講談社学術文庫)にこんな話を紹介しています。


 税関に自分の荷物を受け取りに行った。二人の役人がにこやかに近づき、「おはよう」と言いながら深々とお辞儀をした後、荷物を開けるようにと指示した。荷物を解くのは面倒なので、賄賂を渡そうとした。ところが、「私達は日本男児だ。賄賂など通用しません。」と拒否し、検査を実行した。しかし、たいへん好意的で親切な対応だった。


  当時の横浜について「 1859 年には小さな漁村だった横浜も、いまや( 1864 年)人口 4000 人を数える。道路はすべて砕石で舗装されていて、幅 10 から 20 メートル、青みがかった瓦葺の木造二階建ての家が道に沿って並んでいる。
 道を歩きながら日本人の家庭生活のしくみを細かく観察することができる。家々の奥の方にはかならず、花が咲いていて、低く刈り込まれた木でふちどりされた小さな庭が見える。日本人はみんな園芸愛好家である。日本の住宅はおしなべて清潔さのお手本になるだろう。」
 世界を旅したシュリーマンは、他のアジア人やヨーロッパ人との比べながら、日本人の潔癖さ、道徳性の高さ、簡素で清潔な暮らしぶりなどを絶賛しています。なるほど、災害時などもきちんと秩序を守る日本人の行動は、今日も世界から賞賛されるところです。われらの日本人とてまんざらではないのです。
 さて、6月2日は横浜の開港記念日。大きく変貌を遂げ、さらに発展する横浜ですが、年月を超えて日本人の心に宿るよい徳性は、しっかり子どもたちにも受け継いでいきたいものです。
 今月はプール学習が始まります。子どもたちの元気な歓声が響くのが楽しみです。


噴水ランド


 噴水ランドです。子どもたちの学習に活用しています。
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