日本の伝統的行事

 新年あけましておめでとうございます。昨年は本校の教育活動にご支援・ご理解をいただき心より感謝いたしております。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、みな様の今年のお正月はいかがだったでしょうか。それぞれのご家庭で、それぞれのお正月をお迎えになったことと思います。私の家族も今年も無事にそろって正月を迎えることができました。
 ところで、私は正月というと蘇ってくる光景があります。それは正月を迎える前に土間に近所の人たちが集まって、杵と臼で餅つきをした思い出です。近所のおじさんや父が餅をつき、おばさんや母が手を入れる、そんな光景が今でも蘇ってきます。私たち子どもは餅がつきあがるのを側で待っていて小さくちぎった餅の中にあんこを入れたり、周りにきな粉を付けたりして手伝ったものです。そしてちょっぴりつまみ食いする、これも楽しみの一つでした。母たちは大きな鏡餅を小麦粉を付けながら丸く丸く整えていっていました。しめ縄もできあがった物を買ってくるのではなく親戚のおじさんが作っていました。そのしめ縄に付けるウラジロを山におじさんと取りに行った記憶もよみがえってきます。こうして、子どもたちも一年の大切な行事である正月を体で体験するのです。そして正月を楽しみに迎えるのです。また、正月になると、たこ揚げやこま回しを近所の友だちとやった思い出もあります。体が冷えてくると家に帰りこたつに入って、火鉢でやいた餅を食べました。こんな思いでを持つ私の正月です。
 しかし、私の子どもに限って言うならば、正月を迎える準備をするわけではなく、正月もDVDで映画を見たり、パソコンでゲームをしたり、いやこれが悪いと言っている訳ではありません。きっと今はそういった時代なのでしょうから。そして、親としての私が、それを許しているのですから、それを私がとやかく言っても始まりません。ただ、私は少し心配に思うことがあるのです。それは、日本の伝統的な行事がこのままでは廃っていってしまうのではないかということです。そして、日本の良さを失っていってしまうのではないかということです。海外で生活していた時、よく日本について外国人に聞かれることがありました。その時、改めて自分が日本についてあまり知らないことを知らされ、海外にいて日本の勉強をしたものです。日本には季節ごとに行事があり、それを家族、近所、村中で祝ったものです。それを子どもたちも体験し、子どもたちを思う大人たちの愛情を感じたものです。正月七日に食べる七草粥は無病息災でいることを願って食べました。その他にも三月三日、五月五日、七月七日、九月九日と五節句といわれるものがあります。それらは子どもの健やかな成長を祝うものであり、長寿を願うものであります。これらの日本の伝統的行事を通して、子どもたちは人と人との結びつきを学び、大人たちへの尊敬の念を育てていくのではないでしょうか。私たち大人は日本古来の伝統的行事を大切にし、子どもたちとしっかり向き合う必要があるのではないだろうかと昨年の暮れ、ゆず湯につかりながら考えました。