創造し実践する
校長 久保 清
初めて校歌を聞いたとき、「あれ?」と思いました。2度目に聞いたとき,そのわけがわかりました。歌詞の中に「みんな『創造』する なかまなかま」と『創造』という難しい言葉が入っています。二番にも同じところに『実践』すると入っているのです。『実践』は小学校では習わない漢字です。校歌でちょっと難しい言葉を使うのは少なくはありませんが、中心となる大事な歌詞でこういう言葉を使うのは珍しく、それで聞き慣れない感じがしたのだと思います。
しかし、この頃では耳になじんできて、違和感を感じることはなくなりました。それはただ慣れただけでなく、作詞の野中先生の思いについて考えるようになったからかもしれません。『創造』は「つくる」という意味ですが、「はじめて」という意味が入っています。「オリジナルな」ということから常に新しいことに挑戦するということにつながります。『実践』は「行う」という意味ですが、「実際に」という意味がついています。口で言うだけでなく、実際に行うということです。この歌詞には港南台第一小学校の子どもたちが「初めて実際につくり出していく」子どもたちに育ってほしいという作詞者の強い思いが感じられるのです。
今5年生が総合的な学習の時間を中心に「米作り」について学んでいます。昨年の5年生の「バケツ稲作り」の取り組みを聞いて「もっとたくさんお米を収穫したい。」との願いを持つようになりました。しかし、そのためには、一つしかない田んぼ(とはいっても水生植物用の池を埋めたもの)を拡大しなければなりません。そこで、校舎北側の花壇に目をつけたのでした。とりあえず、花壇に水を張って見ると、どんどん吸ってしまい、少しも水田にならないことがわかりました。さらに、見た目には平らな花壇の土でしたが、斜めに傾斜していることもわかりました。それでも子どもたちはあきらめることなく、土を掘りあげて、花壇の底に水の通らない層をつくることにしたのです。他の学校などに問い合わせて、「ベントナイト」という粉と土をこねて底や壁にはり付けていくことになりました。ところが、雨が降るとせっかくはった土が流れてしまうのです。一つ問題を解決すると、次の問題が出てくる。この連続なのです。
もとからあった田んぼも収穫量を上げるために堆肥を入れることになり、これは地元の保護者の方が協力してくださいました。私もほんのちょっとだけですが、用務員さんといっしょに新しい田んぼづくりを手伝いました。わずか10平方メートルぐらいの水田を作るのにこんなに労力が必要なんだと驚かされました。思えば稲穂の国、日本ではついこの間まで延々と稲作が行われ新田開発が続けられてきたのです。農民がすべて人力で本当に一歩ずつ田んぼを拡大してきた苦労が、少しだけ実感できました。
ちょっと回り道かもしれませんが、問題を解決しながら、この港南台第一小学校の米作りに取り組む5年生の姿に『創造し』『実践する』子どもたちを見たように思いました。まだまだ米作りの苦労は続きそうですが…。