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5月号 菖蒲、こいのぼり、こどもの日
学校長 上 田 清 次
四月中旬になると、電車の窓から、大空に元気よく泳いでいる鯉のぼりをよく見かけます。本校の校庭にも地域の方からいただいた鯉のぼりが元気に泳ぎ、子どもたちが「すごいな」、「大きいなあ」とはしゃぎながら眺めています。
「端午の節句」の端午というのは「月初めの午(うま)の日」という意味で、午と五の音が同じところから、古代中国では五月五日を端午として、田植え前に病気や災厄等の邪気を祓う(はらう)行事を行いました。この行事は、飛鳥時代に日本に伝わり、奈良・平安時代に盛んになりました。邪気を祓うために菖蒲(ショウブ)を軒につるしたり、湯に入れたりしました。江戸時代になると男の子の立身出世を願い、中国の「登竜門」の故事にならい鯉のぼりを揚げるようになりました。竿の先端に籠球(かごたま)矢車、五色のふきながし、そして、真鯉(黒)を揚げました。明治時代からは、真鯉と緋鯉(赤)を対にして揚げるようになり、昭和に入ってからは子鯉(青)も付けるようになりました。
そして、昭和23(1948)年7月に公布・施行の「祝日法」により、5月5日が「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する国民の祝日」として制定されました。これが「こどもの日」です。その後、昭和26(1951)年5月5日に「児童憲章」が宣言されたことにより、男の子の祝日からこどもの祝日というイメージが強くなりました。
そこで、「児童憲章」を読んでみました。短い文章ですので全文を紹介します。
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われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める。
児童は、人として尊ばれる。
児童は、社会の一員として重んぜられる。
児童は、よい環境のなかで育てられる。
1.すべての児童は、心身ともに、健やかにうまれ、育てられ、その生活を保障
される。
2.すべての児童は、家庭で正しい愛情と知識と技術をもって育てられ、家庭に
恵まれない児童には、これにかわる環境が与えられる。
3.すべての児童は、適当な栄養と住居と被服が与えられ、また、疾病と災害か
らまもられる。
4.すべての児童は、個性と能力に応じて教育され、社会の一員としての責任を
自主的に果たすように、みちびかれる。
5.すべての児童は、自然を愛し、科学と芸術を尊ぶように、みちびかれ、また
道徳的心情がつちかわれる。
6.すべての児童は、就学のみちを確保され、また、十分に整った教育の施設を
用意される。
7.すべての児童は、職業指導を受ける機会が与えられる。
8.すべての児童は、その労働において、心身の発育が阻害されず、教育を受け
る機会が失われず、また、児童としての生活がさまたげられないように、十
分に保護される。
9.すべての児童は、よい遊び場と文化財を用意され、わるい環境からまもられ
る。
10.すべての児童は、虐待・酷使・放任その他不当な取扱いからまもられる。あ
やまちをおかした児童は、適切に保護指導される。
11.すべての児童は、身体が不自由な場合、または精神の機能が不十分な場合に
適切な治療と教育と保護があたえられる。
12.すべての児童は、愛とまことによって結ばれ、よい国民として人類の平和と
文化に貢献するように、みちびかれる。
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児童憲章が宣言されて半世紀以上たち、児童を取り巻く環境は大きく変わりました。交通が便利になり、様々な電化製品に囲まれ、医療技術が進歩し、必要な情報を簡単に得ることができるようになりました。しかし、児童憲章を改めて読みながら、自然にうなずいてしまうのは、なぜなのでしょうか。
「菖蒲」、「鯉のぼり」、「児童憲章」と、どの時代の大人も心から子どもの健やかな成長を祈り、願ってきました。そして、少子化時代の今、私たちが子どもにしてあげるられることは、何でしょうか。ほめる、優しい言葉をかける、笑顔で話す、一緒にご飯を食べる、そっと手を握ってあげる等々、今すぐ子どもに自分ができることをしてあげることが、一番大切なのではないでしょうか。
たった一日のとっても楽しい「子どもの日」よりも、ほんの少しずつだけれど毎日が「子どもの日」の方が、子どもは本当はうれしいのではないでしょうか。
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