「せんだん」12月号

                多様性を認める寛容の心を育む教育を!
                          副校長  縣 利一  
 

 師走の声を聞くと、多くの自然を残すここ都岡の丘にも紅葉(こうよう)を見ることができます。校舎の屋上から眺める紅葉の美しさは、師走の忙しさをしばし忘れさせ心を和ませてくれます。「赤や黄色の色さまざまに」の歌詞のようにその美しさはまさに自然の芸術です。
 ところで、紅葉は「もみじ」とも読みますが、この「もみじ」の美しい紅葉はどうして起こるのでしょう。それは、昼間の暖かさで葉にたまった養分(6年生なら光合成の学習をしたので知っていると思います)が、夜の冷え込みによって赤い色素に変化するのです。昼暖かく夜寒いという、昼夜の温度差が大きいほど多くの色素を作り出し、葉は鮮やかな美しい紅になります。都岡小学校の職員室前の花壇にも美しいもみじがあるのを皆さんご存じだと思います。真っ赤に色づき、いよいよ秋から冬への季節の移ろいを感じさせます。また、「こうよう」は黄葉とも書きますが、黄色に色づく葉の場合はどうなっているのでしょう。これについては子どもたち自身が調べてみるのはいかがでしょう?きっとすてきな自然の不思議が発見できると思います。
 都岡の丘は、それぞれ赤や黄色に色づく個性を持った木々が寄り合いながら、お互いを生かし共生しあっている雑木林だからこそ、その美しさが醸し出されていると思います。雑木林は、それこそ様々な種類の木々が植生しているので、多くの種類の鳥や虫たちが生息し多様性があります。それ故に様々な環境変化に対応し受け入れることができるという寛容性があり、生物に開かれた林であると聞きました。矢指の森をはじめとして都岡にある雑木林の中で、生活科や総合的な学習をする子どもたちは、この自然の中で四季折々の発見をし体験をしているうちに、様々な個性や多様な価値を認め合える寛容性を学んでいるといえるでしょう。個性あふれる子どもたちが集まり、時にはトラブルもありますが活気に満ちた都岡小学校であるのは、こういった地域・環境に育まれているお陰であると思います。学校での子ども同士の関わりや生活を見るとき、学校そのものが寛容性あふれる雑木林に重ねて見えてきました。
 今、教育界を苦悩に陥れているいじめ問題は、個性や多様性を受け入れられない心の閉鎖性の問題ともいえるような気がしています。他者を受け入れない、認めない心の狭さは自己中心的で他者の感情に鈍感になってしまいます。その閉じた心に風穴を開けるため、地域皆様の協力の下、教師と親との粘り強い関わりで寛容の心を育てることが、問題の解決を図る手だての一つではないかと思います。「いじめはいつでも起こる」との危機感を持ち続け、その芽を小さなうちに摘んでいくという素早い対応が大切と考えています。
 都岡小学校では先日も研修を行いました。教職員が常に危機意識を高め、子どもや保護者からも様々な情報がスムーズに入ってくるよう、オープンな学校でありたいと思います。都岡小学校でいじめは絶対に起こさないという決意でがんばりますので、今後ともご協力をお願いいたします。

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