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ピア・サポート活動

現代は国際化や情報化、高齢化、少子化等の社会変化の影響を受けてか、子どもたちの生活も、子どもたち自身も変貌しつつある。そして、その影響を受けた端的な現象として、いじめや不登校さらには限度を知らない暴力行為があると思われる。
 その直接の原因は十人十色であろう。しかし、他人との人間関係づくりのまずさ−人間関係の希薄化−に何らかの原因があるのは間違いがなさそうだ。いや「まずさ」というよりは、それ以前の問題として人との交際や交流の術を知らなすぎるともいえるのではないか。だから、困難なことが生じてもだれにも相談できずにいる。そしてまただれなら相談できるのかが、日常の生活から把握できていない。その結果、全てを自分で背負い込み、もがけばもがくほど深みにはまってしまうことになる。
 だから子どもたちは集団の中にいても、一人ひとりの結びつきが弱く、孤独でいることも多いのではないか。互いの個性を認め尊重し合い、自分の良さを伝え、逆に相手からその良さを吸収すれば素晴らしい仲間関係ができる。そして一度このような関係ができれば、集団としても向上が望めるのだが。
 ところで、人との閑係を円滑にし、それをさらに深化させるためには、まず自分を知り他人を理解する必要がある。そのためにはコミュニケーションが不可欠だ。他人との何げない会話から、その人のことを知ることができる。しかし、それと同時にそのやり取りからそれまでは気づかなかった自分を知ることもある。
 さて、子どもたちの人間関係が希薄であっても、相談相手を選ばせれば、「友人に」が多いのならば、その関係を利用しない手はない。
 だが、何らかの援助をしないでいては、子どもたちの人間関係が好転するはずがない。そこで、私たちは子どもたちを支援し、自己成長をはからせ、そして合わせて友人関係をも子ども同士のやり取りから良い方向へ導けないものかと考えた。そこで実践を始めたのが「ピア・サポート」である。
 そして、本校ではピア・サポーターが、「相手の話をよく開いてあげる存在となる」ことを目的にこの活動を開始した。
 とかく自己主張や自己弁護の多い子どもたちにとって、自分の話を無条件に開いてくれる仲間がいれば、それが心の安定につながるはずだ。また、聞き手側のピア・サポーターにとっては、相手の立場を尊重しないことには聞くことができないから、それが「相手を思いやる」ことにつながり「思いやりの心」が育てられると考えられる。
 そして何よりも、この目的が達成できれば子どもたちの人間関係を常にすることが可能である。
 それが子どもたちにとって、より楽しい学校生活の実現を意味することになる。
 このように横浜市立本郷中学校では、トレーニングを積み「聞き上手」となったピア・サポーターが、その周囲の生徒にもサポーター自身にとっても効果を示し、さらにその影響が波紋のように広がることを期待している。


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