〜「丸中だより」

一月号

「夢の実現」に向かって
 
 新年が明けたかと思うと、もう一月も終りです。学校では書き初め展や百人一首大会など伝統の新年行事が行われ、一人ひとりの個性あふれる作品が教室を飾りました。各家庭でもなかなかこのような伝統的な行事や遊びが行われなくなった今、学校で伝え続けていくことは大変意味のある、重要な事だと考えています。一年生にとっては初めて体験する百人一首大会でしたが、各クラスで練習を重ねてきた成果を発揮して、大変盛り上りのある楽しい大会になったようです。コンピュータゲームが大好きな生徒たちですが、昔の人々がこんな知的な遊びに興じていたことを知ることは新鮮な驚きであり、自分の国の再発見にもつながることでしょう。四季折々の自然の美しさや変化を、また人々の今も昔も変わらぬ喜びや悲しみを情緒豊かに詠んだ和歌の数々・・・。共感する一首、大好きな一首を持てたらなお楽しく、より豊かな感性が養われるような気がします。
 さて、三年生はいよいよ受験シーズンに突入しました。早くも私立の推薦入試と公立の前期試験が終了、これから私立の一般入試や、公立の後期試験、定時制の後期試験が続きます。進路が決まるまで不安や緊張の日々だと思いますが、これは自分を鍛える試練であると同時に、大きく成長するチャンスでもあります。逃げずにこのプレッシャーをしっかりと受け止め、自分の力で乗り越えて欲しいと思います。
 一方で冬休み前から、面接試験の必要な人のうち希望者九十三名に校長面接を行いました。志望動機や将来の夢、自分の良さについてなど質問しましたがみな真剣で、短い時間でもその人の性格や個性、考えなどを知ることができ、私にとっても大変貴重な時間となりました。
 みんなの夢は保母さん、弁護士か検事、パティシエ、政治家、医者、先生、介護士、外国と日本を結ぶ仕事、ボクサー、ピアニスト、調理師、看護士、デザイナーなどさまざま。今年度の朝会で車椅子の金メダリスト成田真由美さんの話や、アマからプロ棋士になる歴史的な道を拓いた瀬川昌司さんの話をしましたが、成田さんは「夢を持て」、そして瀬川さんは「あきらめなければ夢はかなう」と、生徒たちへのメッセージを下さいました。幕末の学者吉田松陰も「志(こころざし)定まれば、気盛んなり」ということばを残しています。夢や希望、目標を持つことで意欲や気力が充実してくるという意味ですが、大きな「志」を持っていた松陰は、誰よりもそのことを実感していたのかもしれません。
 目前に進路選択の夢を持っている三年生だけでなく、二年生にとっても一年生にとっても今の時点での自分の夢を持つことは大変重要です。なぜなら夢がなければ「夢の実現」はないのですから・・・。それぞれの夢に向かって努力するところに充実した人生があるのですから。

(学校長 谷 紀代)