2、研究主題設定の理由
21世紀を迎え、インターネットなどの普及によって、だれもが比較的簡単に、たくさんの情報を得ることができ、必要な情報を選択したり整理したりする力が必要となってきている。また、多くの人に対して情報発信することもできるようになった。さらに、大容量の高速通信の発達によって、文字情報だけでなく、写真やビデオなどの映像情報も、手軽に加工し発信することができるようになってきている。
多くの人に対して情報を発信することができるメディアが、テレビや新聞などの限られた時代から、一個人が全世界に向けて情報を発信することができる時代へと転換してきている。
このような中、教育も大きな転換期を迎えている。教育内容を精選し、自ら学ぼうとする力を育成し、新しい時代に適応できる子供たちを育てていこうとしている。
横浜市では、心豊かな市民の育成のために、生涯学習の基礎として学校教育を位置づけ、「創造性に富み、たくましく、個性豊かな子どもを育てる教育」を基本的な目標として掲げている。そして、これを実現するための施策の一つとして、新しい時代に対応し、横浜らしさを大切にした教育の推進を図っていくために、国際化や情報化の進展に対応した教育を小学校の時から受けることができるよう教育環境を整えていくことをあげている。
また、情報教育では、次の三つのことを育成することが目標として設定されている。
1 情報活用の実践力
2 情報の科学的な理解
3 情報社会への参画の態度
小学校では、学び方の基本となる「情報活用の実践力」を高めていくことが最も必要である。それに伴い、自分や相手のプライバシーや著作権を侵害しないなどの情報活用のモラルを守っていくことが、「情報社会への参画の態度」として求められてくる。
こうした状況の中で、本研究会においても、「創造性に富み、たくましく、個性豊かな子供を育てるために」、情報活用の実践力を高める学習を積極的に推進しようと考え、本研究主題を設定した。
3、研究主題について
1 創造性に富み、たくましく、個性豊かな子供とは
創造性に富み、たくましく、個性豊かな子供とは、自らの生き方を自分自身で創造し、自己実現に向け努力を惜しまず、個性を発揮することができる子供である。
一人ひとりの子供には、多様な個性があり、それぞれがよりよく生きたいと願っている。しかし、子供たちをめぐる社会的環境の変化によって、時として、自分の生活や将来に対して目的を持てなくなっている子供たちも少なくない。そうした子供たちを支え、多様な個性に応じた教育を保障していかなければならない。
また、これからの社会を生き抜いていくためには、社会の変化に対応して、自らの進路を自分自身で決定するための意志決定能力の育成が求められている。そして、様々な困難を乗り越えてたくましく生き、進んで問題に立ち向かい、粘り強く取り組む強靱な意志、柔軟な思考力を持った人間の育成が重要である。
2 情報活用の実践力を高める学習学習とは
【情報活用の実践力とは】
課題や目的に応じて、情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などをふまえて発信・伝達できる能力
情報活用の実践力を育てていくためには、子供たちが、情報手段の特性を理解し積極的に活用できるような学習場面を創り、教師がどのように子供とかかわるか工夫していくことが大切である。
本研究会では、各教科、領域、総合的な学習の時間の中で、1子どもが情報手段の特性を理解し適切に活用できる学習場面をどのように創るか、2その場面で教師がどのように子どもとかかわるか、2つの視点で研究を進め、情報活用の実践力を高めていきたい。
1子どもが情報手段の特性を理解し適切に活用できる学習場面
「子どもが情報手段の特性を理解し適切に活用できる学習場面」とは、、子どもたちがメディアを使いこないしている学習場面である。「メディアを使いこなす」とは、子どもたちが課題や目的に応じて、情報手段の特性を理解して必要な情報を集めたり発信したりすることである。メディアを使いこなす学習では、子どもたちが互いの考えを出し合って議論したり、どのような内容をどのようにして発信するか考えたりするような学習場面が想定される。
2その場面で教師がどのように子どもとかかわるか
この場面に限ったことではないが、次の2つの視点でかかわり方を考えたい。
○子供たちが自己決定できるようなかかわり方をしているか。
○共感的なかかわり方ができているか。
「新よこはま教育プラン」との関連
「新よこはま教育プラン」では、4つの大きな成長像を踏まえ、23の「成長課題の観点」と「生き方の教育を推進する10の学習課題」が提案されている。成長課題の中で「情報活用の実践力」と特に深く関わっているのが、「情報活用(日々の生活の中での様々な問題解決のために、情報活用の技能や能力を生かそうとする子ども)」「変化する社会へのかかわり(コンピュータ等の情報手段がもつ可能性をつかもうとする)」という2つの観点である。「情報活用」は「自らの生き方を創り出す子供」像を構成する3つの成長像の一つ、「よりよく問題を解決する子供」像と深くかかわる観点である。「変化する社会へのかかわり」は、「横浜に生きる子供」像を構成する3つの成長像のうち、「進取の気概をもつ子供」像や「国際性豊かな子供」像と深く関わる観点である。
「情報活用」や「変化する社会へのかかわり」は、10の学習課題のうち、「横浜」(生き方に学ぶ)、「選択」(生き方を見つめる)、「解決」(生き方を創る)、「生活」(生き方を創る)と関連している。
急激な情報化が進む中で、子供たちが自分を見失わず、「自らの生き方を創りだしていく」ために、「情報活用の実践力」はその基盤となるものである。子供の生活をもとに、国際都市横浜に立脚した学習場面を考えたり、学習内容や方法を選択できる学習場面や情報機器に慣れ親しんだりメディアを活用した調査活動をしたりする学習場面を工夫したりすることが必要である。
4、研究主題達成の手だて
(1)情報活用の実践力を高める学習を積極的に推進するための取り組み
1各部会の取り組み
情報活用の実践力を高めるために、
・子どもが情報手段の特性を理解し適切に活用できるような学習場面をどのように創るか 。
・その場面で教師がどのように子どもとかかわったらいいか
2つの視点で研究を進める。
2研究の進め方、まとめ方
研究主題を受けて2つの視点で研究を進めるが、研究参加者の取り組みたい内容についても意見を十分に吸い上げて取り組んでいくことが大切である。
・年間計画を立てる
・2つの視点について検討する。
・日常的な実践を報告し合う。
・2つの視点で、研究授業を実施し、結果を整理・分析する。
・研究結果を発表する。
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