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交流教育で育つ見えない力
横浜市立中村特別支援学校校長 松ア 紀一
地域の皆様及び関係者の皆様、日頃より本校の教育に対しまして、温かなご支援ありがとうございます。
横浜市立中村養護学校は創立26周年に当たる今年4月1日に、学校教育法の一部改正に伴い校名が横浜市立中村特別支援学校と変わりました。
本校の前身は、中村小学校の訪問学級です。昭和54年に養護学校が義務化になる前の昭和47年に、中村小学校に訪問学級ができ、中村小学校の先生方が、通学が困難な児童生徒の各家庭を訪問し教育を始めました。教育によって、重度の障がいがあり、学習活動は困難と思われていた子どもたちの表情に変化が生まれ、笑顔がたくさん出るようになったと当時の先輩からうかがったことがあります。
やがて、障がいがあってもなくても、すべての子どもたちには教育の場が必要であるという強い願いが形になり、中村小学校に、障がいのある児童生徒が通えるようになりました。このことは日本の教育の歴史において、障がいのない子と障がいのある子とが日常的に出会い触れ合い学びあう場が作られたという意味において画期的なことでした。
現在では、ノーマライゼーションという考え方が一般化され、障がいがあってもなくても、人として当たり前な生活ができるようにと、社会の考え方や社会の仕組みが見直され、変化してきましたが、当時はまだ養護学校や障がい児・者の施設の建設に反対運動が起こる地域もあり、障がい児教育や福祉が十分に理解されてはいませんでした。
そのような時代の中で、中村小学校の保護者を始め地域の皆様に理解され、応援されて中村小学校に訪問学級ができ、発展して同じ敷地内に養護学校ができたことは大変に意義深いことだと思います。
近年文部科学省は、交流教育、共同学習の推進を強く打ち出しています。これは、障がいがある人と障がいがない人の交流は、双方にとって大きな刺激であり、互いの存在を理解しあうことや、相手を思いやる気持ちが育つことが人格形成に非常に有益であると考えられるようになったからです。また、横浜市では、今年度から、今までの居住地校交流を副学籍交流に発展させ、新たな交流教育の推進が始まりました。
中村特別支援学校と中村小学校は、交流という強い絆で結ばれ、今日まで「中村オリンピック」を始めとする様々な温かでほほえましいドラマが生み出され、双方の児童生徒に「優しさ」「元気」「勇気」といった目に見えない力を知らず知らずのうちに育んできたと言えます。
先日、中村小学校の卒業生で、結婚されて地元で子育てをされているという方とお話しをする機会がありました。交流をされていた当時のことを懐かしく振り返りながら、わが子も特別支援学校との交流を通して、人に優しい子に育って欲しいというお話をうかがい、大変ありがたく嬉しく思いました。
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