「交流で変わった息子の放課後」

 

                    小学部2年・Yさんの母

養護学校に入学したら、併設する小学校や居住地の小学校との交流があると聞き、とても楽しみにしていました。それまでの息子は友達と遊ぶ機会がほとんどなく、興味の中心は家でテレビを観たり、おもちゃで遊んだりすることで、どちらかというと療育センターでも友達に関心があるという感じではありませんでした。そのため、交流に多少不安はありましたが、友達と触れ合うことで少しでも変化があれば、そして近所に友達が出来て、仲良く遊べるようになればと期待していました。

交流校(O小)での最初の交流では、子供達が学校を案内してくれたり、息子を歓迎する歌を歌ってくれたりして温かく迎えてくれました。しかし、初めての場所とたくさんの子供達に圧倒されたようで、たくさんの声かけにも全く反応せず終始目をつぶって終わってしまいました。けれども、回を重ねるうちに、少しずつまわりの状況やお友達の様子を確認したりする様子がみられるようになり、お友達の差し出す手に自分からタッチして、お友達を驚かせたりするようになりました。

そんな頃、1年生の秋に、初めて同じマンションに住むO小の女の子が家に遊びに来てくれました。息子はテレビに夢中で全くの知らん振りでした。けれども、それから、いろんなお友達が遊びに来てくれるうちに、息子も少しずつですがお友達を目で追ったり、手を差し出したりするようになりました。一緒に遊ぶ放課後は、お友達が絵本を読んでくれたり、人形劇を披露してくれたり、一緒にテレビを観たり、おやつを食べたりと盛り沢山です。いつものトランポリンも、お友達が来てくれると電車に早変りします。車掌さん役のお友達に切符を渡して乗り込みます。ガタンガタンと揺られ、息子は駅についても「まだ降りたくないよ!」とアピールします。以前は静かにテレビを観ることが好きで、それを邪魔されると思うのか、誰かが家に来ることを嫌っていた息子が、いつしかお友達を受け入れ、共通の時間を持てるようになっていました。

いつものようにお友達が来てくれていたある日、私が台所に入っていると息子の怒っている声が聞こえてきました。お友達と観ていたテレビの内容が気に入らないと私を呼んでいるようでした。いつもならすぐ行くのですが、この時は少し様子を見ていました。すると、お友達が優しい声で歌を歌い始め、息子の怒り声が消えました。見に行ってみると息子がうれしそうに笑っていました。そしてお友達が「Yくんが私の歌で笑ってくれたの!」とうれしそうに言ってくれました。いつも私が関わらなければならないと思っていたのに、いつの間にかお友達が息子に働きかけ、それに対して息子が応え、またそれに対してお友達が喜んでくれる、そんなよい関係が子供達の中で生まれて育っているのだと感じました。

 最近では、天気の良い日は外でも遊びます。鬼ごっこ、かくれんぼ、ドッジボールなどなど。一見、車椅子の息子が一緒に遊ぶことは難しいように思えますが、そんな息子のためにお友達は特別ルールを作ってくれます。例えば、ドッチボールでは息子はワンバウンドで当たらなければOKとか、一緒に遊べるようにいつも考えてくれています。外遊びが苦手な息子が、ぐずらずに機嫌よく遊べるようになり、お友達のパワーに本当に驚いています。

交流を通して、放課後に近所のお友達と遊ぶという楽しみがひとつ増えました。お友達と遊ぶようになって、少しずつではありますが、息子の世界が確実に広がってきていることを実感し、とてもうれしく思っています。

これからもお友達とのよい関係が続き、お友達に囲まれて成長していってくれることを願っています。