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幸せスープ
栄養職員
去年、本校のS君が取り組んだEM研究がきっかけになり、旧Eクラスで12月初旬に学校の花壇の片隅にキャベツの苗を植えました。
6年生だったクラスのみんなは、春が来て中学生になったら植えた苗が丸まった大きなキャベツに育ち、給食で食べられるようになることを期待して楽しみにしていました。(写真1)
ところが、冬休みに入り学校に人気が少なくなったある日、キャベツを植えた花壇を見ると、あらびっくり!! 苗のあらかたが引き抜かれ、荒らされているではありませんか・・・。
早速、苗をくださったM先生に話すと、子どもたちががっかりするといけないからと、新しい苗をご自分の畑から持ってきてそっと植えてくださったのです。
周囲の大人は、素人栽培では結球までは無理だと思っていたのですが、その後適度な雨も幸いし、予想に反して(?)5月の連休のころには、丸々とした大きなキャベツに育ちました。(写真2)
中学部で頃合をみて収穫したキャベツは思いのほかずっしりと重く、みんなで力を入れて根っこがついたまま、やっと引き抜くことが出来ました。
中学部合同授業での収穫発表会では、半分に切ったキャベツを一人ひとりに回し、 獲りたて新鮮野菜の匂いを感じたり、きれいな緑色の葉をみたり、さわって瑞々しさを実感できました。
クラスで「キャベツ新聞」も発行し、キャベツが育っていく様子、キャベツについて調べたことなども紹介していました。
調理員さんに協力していただき、根がついたままきれいに洗ったキャベツを保健室前に飾り、他のクラスの人たちにも見てもらいました。
いろいろな方にお世話になりましたが、「完全無農薬」「化学肥料不使用」「地産地消」「獲りたて新鮮」「材料費0円」と良いことずくめ。
おまけに葉っぱにサナギが付いていて、収穫した次の日には羽化したモンシロチョウが廊下をひらひら飛んでいく様子まで観察できたのです。
収穫したキャベツは4kgほど。5月24日の給食「野菜のスープ煮」で全校みんなが美味しくいただくことが出来ました。もちろん、経管スープ食にもたっぷり使うことが出来ました。(写真3)
次の日、担任の先生が「S君の連絡帳を読んでみてね」といって見せてくださったノートに「家でもスープが大好きです。我が家では、野菜スープのことを『幸せスープ』と呼んでいます。」の一文がありました。
この『幸せスープ』の響きにとても心が温かくなり、ご家庭の「食」を大切にしている様子が目にうかぶようで、こちらの方がとても幸せな気持ちになれた一日でした。
最近、「食育」という言葉をよく聞かれるのではないかと思います。
今まで、どちらかと言えば、「食」や「健康」はプライベートなこととされていました。
しかし、生活習慣病の低年齢化やメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満によってさまざまな病気が引き起こされやすくなった状態)の増加などで、このままでは多くの国民の健康状態が赤信号に変わることが危惧されています。
医療費の増大で、健康保険制度が揺らぎ始めていることもあり、国の施策として平成17年6月に「食育基本法」を制定し、生涯にわたり健康に過ごすため、基本となる望ましい食生活の自己管理ができるように、子どもの時からの食育をすすめることになりました。
毎年6月は食育月間です。毎月19日は食育の日として、国をあげて食に関する活動を実践し、「食」に関する理解を深めることを目指しています。
学校でも、各クラス「食」に関する指導の時間を設け、 栽培、収穫、時には給食の食材で味わい、また、作品作りにも発展したりと様々な取り組みを行っています。
五感を使った様々な経験がよりよい食行動に結びつき、豊かな生活を送る一助となるように、ご家庭と学校が協力をしながら、共に考えていければと思います。
写真1 写真2 写真3
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