トップページ>視覚障害とは>視覚障害を理解しよう>視覚障害生徒への指導と工夫(目次)>(現在の位置)3.指導実践事例 指導実践(1)
生徒の盲特別支援学校での生活について
-クラス教室内の掃除の場面より- 教諭 中村國男

視覚障害幼児・児童・生徒においては、視覚情報が遮断され又は制限を受けているために、視覚情報を活用できる場合と違い身体全体と各部分の関連づけ心的身体イメージなどの身体像の形成を促す指導が必要である。
また、姿勢や自己受容感覚などからの情報に基づくバランス調整など身体図式の発達を促す指導も必要である。体各部分の識別と位置関係と関節の動く方向などの理解など身体概念の発達も指導により促す必要がある。

このことは、単に経験不足と言うだけではなく、空間が広くなればなるほど、視覚にハンディキャップを有する生徒にとっては、空間の認知が難しくなり、掃除機をどのようにかけたらよいのかが、わからなくなっているのであろう。
そこで空間をいくつかに分けて、動く方向(今回は掃除機をかける方向)を示せば、空間の認知も容易になり、掃除もしやすく且つ、きれいに出来るのではないか。そのように考えて、腹案を用意し、生徒たちには、掃除の仕方について考えさせてみた。
自分たちが、やっていたやり方は、やり易いのか、やりにくいのか。問題になる所はないか。また効率的に掃除をするには、どのようなやり方が良いのか。等々。生徒たちは、掃除の経験不足と視覚的なハンディキャップによるためか、活発な意見交換とは言い難かったが、それでも教師の指摘をもとに、1つの方法にまとまっていった。
帰りのホームルームが終わった後、椅子を机上にのせて、それを動かさないで、そのままにしておく。クラス教室の掃除は掃除機の人・水場を洗う人(机や教卓も拭く)・ゴミを捨てて来る人(戻って来て椅子をおろす)の3人ずつのペアーで担当し、掃除内容を交代しながら、1週間行う。
掃除機は、廊下側の入り口から、かけ始めて、黒板と教卓の間を往復する。次に教卓と1番前の机の列の間を往復する。次に1番目の机の列の間と2番目の机の列の間を往復する。同様に2番目と3番目の間を、最後に3番目の机の列とロッカーの間の往復というように、かけて行くことにした。教師も立ち会い、以上の方法で掃除を行ってきた。

慣れてきたこともあるが、やはり空間を、いくつかに分けて行う方法が、生徒たちにとっては、動きの起点が出来て、方向もわかり動きやすい(掃除機をかけやすい)ようで、スムースに動くようになった。
ゴミを捨てて戻ってくると、掃除機をかけ終わった空間があり、そこの椅子をおろす。水場の掃除が終わったころには、机上から椅子が降りており、机を拭くことが出来る等々。
今回は、盲特別支援学校に於ける掃除の1場面での報告であるが、それぞれの学校に於いても、個々の障害に応じて、その障害をフォローするような、生徒の動きや施設設備が考えられ、本報告が、そのための1つの参考になれば幸いである。終わり。
3.指導実践事例 指導実践(1)