視覚障害とは

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盲特別支援学校指導実践事例2

音楽を楽しもう!−視覚障害者のためのPC活用を考える−

1.区分
実践事例
2.学校名
横浜市立盲特別支援学校
3.URL
http://www.edu.city.yokohama.jp/ss/yokomou/
4.障害種別
視覚障害
5.タイトル
音楽を楽しもう!-視覚障害者のためのPC活用を考える-
6.対象児童の状態
高等部普通科 「芸術音楽」生徒 全盲・弱視
7.キーワード
音楽 ,盲特別支援学校,視覚障害,高等部,点字楽譜,MIDI
8.学部・学年
高等部普通科 1〜2年
9.教科・領域区分
音楽科 「芸術音楽」
10.授業者名
末永ゆかり
11.授業実施期間
平成12年9月頃から継続
12.単元・題材名
楽科 「芸術音楽」作曲指導
13.単元の目標
MIDIを利用し,直接キーボードから入力して簡単な作曲をしよう
14.メディア活用の意義
一般に,視覚障害者は晴眼者に比べ,様々な事柄についての情報が得られにくい。しかし,聴覚や音楽的才能が優れた生徒や児童が少なくない。
これらの才能を,PCを活用することによって補助的またあるときは主体的に活用することによりより効果的な成果を発揮できる。
15.メディア環境
  1. 使用機種:Windowsパソコン
  2. 入出力装置:MIDI装置・キーボード
  3. 稼動環境:Windows95,98のネットワーク環境
  4. 利用ソフト:点字楽譜作成ソフトウェア fuga(フリーソフト)
    Singer Song Writer LITE(株式会社インターネット) 他
16.単元の指導計画とコンピュータの活用等
指導計画 留意点
MIDIソフトウェアに慣れよう
(2時間)
基本的な設定ができるようになる。(調,拍子速さ,使う譜表など)
ソフトウェアを立ち上げる。
システムを知り,慣れる
簡単な作曲をしてみよう
(2時間)
事前に何か旋律を考えておく 旋律が次の段階のモチーフになるようにする 前の作品にはこだわらなくてよい
一人1曲でなく複数曲でもよい キーボードを使い,心に浮かんだ旋律を音にしてみるできた作品を印刷し楽譜にしてみる。
一人1曲でなく複数曲でもよい キーボードを使い,心に浮かんだ旋律を音にしてみるできた作品を印刷し楽譜にしてみる。
まとまりのある曲を作ってみよう
(2時間)
前の時間に使った旋律を利用し,「終わる感じ」の曲を作る。
できた作品を印刷し楽譜にしてみる楽譜化の際,微調整は教師が援助する。
17.教材資料作成時におけるコンピュータ活用
今回の場合,生徒と一緒に考えながらの試行錯誤の授業展開であったので,コンピュータを触りながら,試作の曲を作ったり,機器のマニュアルを読みながらの利用であった。今後は,過去の作品を紹介したり,データベース化を図ることによりより充実した内容の教材作成が可能になると思われる。
18.上記で実践された学習活動の実際
1. 最初に点字楽譜を生徒に作成してもらい,それを通常の健常者が読める楽譜に直すソフトウェアを探した。
フリーソフトウェア「フーガ」は視覚障害者用によく紹介されているソフトウェアで視覚障害者が独力で一般楽譜を作成することを可能にするパソコンソフトである。 機器構成として必要なものは旧NECのパソコンとプリンターのみである。 楽譜というものは,もともと極めて複雑で多様性に富んでいるうえ,一般楽譜を描くために必要な情報のすべてが点字楽譜の情報に含まれているとは限りません。従って,パソコンによって点字楽譜を一般楽譜に自動的に変換することには多くの困難がある。
http://rd.vector.co.jp/soft/dos/art/se014650.html  フリーソフトウェアのページ
フリーソフトウェア「フーガ」の楽譜図の写真です
図1:フリーソフトウェア「フーガ」の楽譜図
フーガのソフトウェア画面である,通常点字楽譜は,ワープロ等の画面でカナ入り文字で作成するが,一般に全生徒に点字楽譜を操作させるのは難しいものがあった。したがって,一部の音楽部の生徒に作成させた。
2.音楽キーボードをインターフェースに使った音楽データの取り込み
音楽キーボードは,健常者や視覚障害者に関わらず,音楽に興味のあるものにとって共通のインターフェイスである。 また市販のソフトウェアの中には楽譜作成も容易にできるものも多くなってきている。普通科高等部の授業の中で音楽キーボードを使って自分の作曲した,音楽データを取り込んだ。弱視の生徒の場合は,図3 図4のようににWindows標準の拡大鏡やズームテキスト等のなど市販の画面拡大ソフトウェアの組み合わせでソフトウェアの操作が可能になる。全盲者の場合は,補助者が必要となる。

弱視者がソフトウェアを操作している写真です
図2:弱視者のソフトウェア操作画面
3.他校との音楽交流と発表会
11月の文化祭や12月の福祉交流会を通じて市内の学校との交流を行った。
音楽キーボードを通じて互いの校歌などの取り込みを行い発表しあった。
音楽キーボードを介すことによって全盲の生徒でも,健常の生徒でも障害のバリアは取り除かれることがわかり,交流会に参加された他校の保護者の方にも好評であった。
音楽室での交流発表会場面の写真です
図3:音楽室での交流発表会場面
音楽キーボードを使い,互いの校歌や自作の曲の発表を行った。パソコンにMIDI装置を通じて音楽データを取り込んだり,自動演奏をさせたりしながら発表を行った。また11月の文化祭では,交流を通じて演奏会を一緒に見て評価していただいた。
文化祭での発表場面の写真です(高等部)
図4:文化祭での発表場面(高等部)
19.授業の成果
何故 音楽の授業にパソコンを使うのか? 視覚障害者が音楽に親しむということを想像してみると まずは「耳から」ということが考えられる。しかし,音楽は「聴くだけの活動」ではない。聴いているうちに,自分でも表現してみたいという気持ちになるものである。
そこで,捕らえた音を何か楽器で表現してみる。そうするうちに「自分でも曲を作ってみたい」という気持ちになる。ところが,そこには楽譜という大きな壁が立ちふさがっている。
英語のアルファベットがわからなければ英語がよくわからないのと同じように,やはり楽譜がわからないと作曲はとても難しい。(これは健常者も同じである)その大きな援助となるのが「作曲をしてくれるソフト」ではないかと思い,パソコンの利用(活用)を考えた。
20.今後の課題
一言でいえば「やはりパソコンは難しい」である。ソフトの立ち上げに始まって,そのソフトを思うままに働かせるには結構時間がかかるということを痛感した。
又,生徒も「心に浮かんだ旋律をそのままキーボードで演奏する」のは返って難しいようであった。イメージはなんとなくあるのだが,出だしの音が決まらないという生徒が多かった。
これは,出だしの音さえ決まれば後は何とかつないでいかれるということなのかもしれないが。 体裁の整った曲になったとは思えないが,自分の弾いた音が楽譜となって視覚化されるのはまんざらでもないようであった。
それを見ると点字楽譜への翻訳ソフト,あるいはそうしたシステムの普及が望まれる現在,色々なメーカーからたくさんの作曲支援ソフトが販売されているので,予算があれば様々なソフトを体験することも必要である。
21.参考資料・参考URLなど

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