トップページ>視覚障害とは>ICTを知ろう>視覚障害者のICT活用について>(現在の位置)視覚障害者のIT活用の現状と課題
この文章は、視覚障害者のIT活用についての実際をいろいろな人に知っていただきたく書いたものです。ぜひ、多くの方々に読んでいただき、少しでも課題が解決できればと願っています。
最終更新日:2001年 6月 2日
今、私達はネットワーク革命という100年に一度ともいえる大きな変革の時代を向かえています。それは政治、経済、社会に対し既成概念をゆるがすほどの大きな構造改革です。
しかし、情報技術とネットワークによってもたらせられつつあるこの急激な変化は、ともすれば「持つもの」と「持たざるもの」との間に新たな格差をもたらしかねません。若年層と高齢層、あるいは健常者と身体障害者の間に見られるネット人口の著しい開き等が現に存在しています。 これらネットワーク社会がもたらす数々の利便性は、膨大な情報へのアクセスを通して得られる大きなメリットを享受できる層とできない層との分極化を生じかねません。これらを避けるための責任と義務が、今求められていると考えます。
IT(情報技術)は、障害者にとっては、不可能を可能にする希望の技術です。ITの活用によって、障害があっても人生はすばらしいと実感できるような、社会参加とノーマライゼーションが実現される可能性が広がっています。しかし、ITを活用するためには、障害があることで様々なバリアーが山積しているのも事実であり、また、これらが新たなバリアーを生み出す危険性を持っていることも認識していなければなりません。
障害者のこれら情報アクセスへの保障は、1993年の障害者基本法や国連・障害者の機会均等に関する基準規則でも世界的な理念として確認され、まさに「情報アクセス、情報発信は現代の基本的人権」とも言えるものなのです。それは障害者だけでなく、高齢者をはじめ、すべての人のために不可欠な権利なのです。
また、このITを人権としてのメディアリテラシー(コンピュータ・ネットワークを使いこなす能力)ということで考えると、一番大切なのは、個々人がコミュニケーションする権利は、基本的人権であり、そして個々人がコミュニケーションする権利を行使していったとき、溢れ出てしまう人が出てくるかもしれませんが、その人たちといっしょにコミュニケーションできる状況を作っていく、またはその人たちにコミュニケーションする権利が行使されていないことに対して発言してもらう状況を作っていく、そのための手段を互いに用意していくことが重要ではないかと思います。
以上のような点をふまえ、視覚障害者の立場からのIT活用の現状と課題を考えて行くことにします。
政府は、2000年(平成12年)11月29日に、「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(いわゆるIT基本法)を制定し、日本を今後5年間のうちに、高度情報通信ネットワーク社会として、世界最高水準にまで高めるとしています。
同法では、「高度情報通信ネットワーク社会」とは、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて自由かつ安全に多様な情報又は知識を世界的規模で入手し、共有し、又は発信することにより、あらゆる分野における創造的かつ活力ある発展が可能となる社会をいう。」と定義しています。さらに同法の基本理念として、「 すべての国民が、高度情報通信ネットワークを容易にかつ主体的に利用する機会を有し、その利用の機会を通じて個々の能力を創造的かつ最大限に発揮することが可能となり、もって情報通信技術の恵沢をあまねく享受できる社会を実現する「と述べています。
そして、これらの考え方に沿って高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)が設置され、本年3月2日には、同本部より「e-Japan重点計画(案)」が公表され、今後この案をもとに検討を重ね、今年度中に同計画を策定し、2002年(平成13年)1月6日から施行する。となっています。
以上のことでも分かるように、これらの変化は、今後私達の生活や職場に好むと好まざるとに関わらず、急速に入り込んで来ます。具体的には、国及び地方自治体の行政事務や行政サービスにおけるインターネットの活要電子政府・電子自治体)、学校教育におけるITの活用、各種民間企業における電子商取引の促進、職場におけるネットワークを利用した事務の効率化・共有化等、例をあげればきりがありません。
したがって、今後は、これからの高度情報ネットワーク社会における障害者としてどのように対応し、情報アクセスをどのように確保して行くかが極めて大きな課題になってくるのです。
ここでは、視覚障害者がパソコンを活用して得られる情報アクセスの現状についての概要を、次の3つに分けて紹介します。
ここでは、視覚障害者が多く使用しているWindowsソフトについての主なものを紹介します。
視覚障害者がWindowsパソコンを操作するためには、画面音声化ソフト(スクリーンリーダー)を使って操作することになります。具体的には、95Reader・PC−TalkerとVDM100W・OutSpokenが市販されています。
全ての音声化ソフトで、Word2000やExcell2000に対応していますが、点字ピンディスプレイによる点字表示に対応しているのは、95Readerの3.5と4.0、OutSpokenです。
画面を見て操作する弱視者には、画面拡大ソフトが必要になります。Windows画面の一部または全体を拡大し表示するためのソフトですが、この内、ZoomTextは世界的にも利用頻度の高いソフトで、NECから市販されています。
ただし、Windowsのユーザー補助機能や各種設定を変更することで、多くの弱視者にも操作することは十分可能になっています。
視覚障害者用に開発されたワープロソフトに、MYWORDU・V、でんぴつがあります。また、一般ワープロソフトとして利用可能なものとしては、ワードやワードパッド等があります。
一般ワープロソフトでは、Word2000とワードパッドが全ての音声化ソフトで利用できます。Wordの音声化はそれぞれの音声化ソフトに優劣がありますが、標準的な文書作成とレイアウト編集が可能になっています。しかし、レイアウトされた文書の理解は難しく、グラフィックや画像的な処理など問題点も多くあります。
音声化ソフトを利用したユーザーに対しての改良が望まれます。ただし、弱視者にとっては、フォントサイズを大きくする等の設定を工夫することによって操作は、十分可能であると思われます。
Excell2000は、全ての音声化ソフトで利用可能ですが、グラフ作成など音声で利用できない機能もあります。しかし、ごく一般的な使用については、ほとんど問題がないように思われます。
視覚障害者のための点字文書を作成する点訳ソフトにはキーボードの6点を利用して入力する6点入力方式・ローマ字入力・かな入力・英数入力の各方式を持つソフトがありますが、これらの機能を全て備えているものもあります。 具体的には、WINBES99(フリーソフト)・WINB(フリーソフト)・ブレイルスター(市販の点訳ソフト)があります。
普通の漢字かな混じり文字のテキスト形式文書を各種点訳ソフトの形式に自動変換したり点字印刷するものを自動点訳ソフトといいます。具体的には、EXTRA(市販ソフト)・ibukiTen(岐阜大学工学部応用情報学科池田研究室製作されたフリーソフト)があります。
視覚障害者用OCR文書朗読システムとして、よみとも、ヨメール、MYREAD、ヨメール・ライトがあります。各ソフトともスキャニングから読み上げまでの操作は簡単で初心者にも利用可能です。
e.Typist、WinReader、読取革命、読取物語、読んde!!ココ、OKREADERは市販のOCRソフトですが、各社の音声化ソフトで利用可能になっていますが、Windowsの操作になれている必要があり、初心者には難しい点もあります。
Windowsのインターネット閲覧ソフトの中で、視覚障害者用に開発されたものとしては、次のようなものがあります。
IBMホームページリーダーはNetScapeとともに稼動するウェブページ読み上げソフトで、ほとんどの操作をテンキーを用いて行っています。 大阪府立盲特別支援学校の横田先生が開発したVoiceExplorer2000はInternetExplorerとともに動作するフリーのウェブページ読み上げソフトです。 アメディアで開発され、市販されているボイス・サーフィンは独自の音声エンジンを用い、ブラウザはInternetExplorerを使用しています。
視覚障害者用に配慮されたメールソフトには、次のようなものがあります。
MMメールは、シェアウエアのメールソフトですが、作者が音声での利用を考慮し、細部の音声化が可能になっています。
ユニメールは音声出力機能のあるメールソフトで、一般的に備わっているメール機能を持っています。
Winbiffはシェアウェアのメールソフトで、各社音声化ソフトで利用可能です。
ホームページ・メーラーは、IBMのホームページリーダーに付属しているメールソフトです。
LANとはLocal Area Networkの略で、職場内・学校内あるいは家庭内等、ある限られた内輪だけの小規模なネットワークのことです。つまり、複数のコンピュータをケーブルや無線によってつなげ、その中だけでデ情報の交換や情報の共有化等を行うもので、今後急速に普及するものと考えられています。逆に大きなネットワークの代表としては、インターネット(後述)があり、基本的には、両社は同じようなはたらき・使い方ができます。ただLANの場合は、ある特定の内輪だけのネットワークですから、それぞれに適したネットワーク環境となり、その意味では、インターネットとは決定的に異なります。
LANの構築によって、どのようなことができるかということを大別すると次の2つに分けることができます。
これだけではよく分かりませんので、もう少し具体的に説明すると、例えば、サイズの大きなファイルを別のパソコンやプリンタに送りたいデジカメなどのFDに入りきらない程大きなファイルを転送するために考えられる方法は、インターネットを使ってメールに添付するかCD(640MB)のような容量の大きなメディアを用いるしかありません。
しかし、例えば、500KBのデジカメ写真をメールに添付して送る場合、56Kbpsのモデムなら早くて1分13秒くらいかかります。64Kbpsでも1分少々かかります。もちろん、インターネットの混み具合を考えずにこの速さです。これではあまりにも非効率です。
しかし、10Base-Tの場合、10Mbpsですから1秒間に10Mビット、つまり1.25MBの転送が可能です。 100Base-TXならその10倍の100Mbpsですから1秒間に12.5MBです。ここまでくると、500KBの写真もなんのその。瞬時に転送可能です。
また、各パソコンがインターネットに接続されていれば、インターネットから入取したファイル等を必要なパソコンやプリンタ等に転送することも可能になり、効率化・省力化がはかられることになるのです。
また、電子掲示板のシステムやメールシステムやチャットシステム等を作れば、各職員間あるいは、生徒間や教師間を問わず相互にスムーズなコミュニケーションを図ることが可能となります。
さらに、共有ファイルやデータベース等の相互利用により、各種の事務手続きや文書・教材作成等の効率化が図られます。
またCD・DVDといったマルティメディアや・辞書等を共同利用することもできます。さらには、総合的にペーパーレス化を図ることにより、資源の有効利用にもつながると考えられるのです。
インターネットとは、世界中を網羅する通信ネットワークの名称で、全世界に散在する⇒サーバーに接続して情報のやり取りを可能にするものです。 インターネット上で利用できるサービスには、次のようなものがあります。
WWWとは、world wide webの略で、企業や個人などによってインターネットで情報が公開されている電子文書でWebページまたはWebサイトとも称されています。
最近ではHTML言語で書かれたWebページの総称として使われることもあり、閲覧にはWebブラウザと称されるWebページ表示ソフトが必要にたります。代表的なWebブラウザにはマイクロソフトのインターネット・エクスプローラ、ネットスケープのネットスケープ・ナビゲーター等があります。最近では携帯電話やPDAなどでも表示可能なものが増えています。
雑誌や新聞と並ぶメディアのひとつとして定着しており、国境に制限を受けず世界中どこからでも閲覧が可能だという点において、むしろテレビや新聞などを越えた情報伝達手段だとも言えます。災害や人災、特定の社会問題を扱ったものなど、マスコミに限らず個人から発信されるものが貴重な情報として注目されています。
また情報の閲覧以外にも、ウェブページを使って、銀行口座の照会や株式の売買、飛行機などの予約サービスも行われています。これらの商業サービスはWebブラウザの機能を拡張して行われているものです。
電話回線などを利用してパソコン間でメールの送受信を行うシステムで、パソコン通信サービスの代表的なサービスで、相手のユーザーIDを指定して文書やデータファイルを送ることができるようになっています。特にインターネットを経由する電子メールをEメール(electronic mailの略)と呼ばれています。企業内でも電子メールによる社内ネットワークを構築しているところが多くあります。
受信者が読みたいときに読める,海外にも安価で確実にデータを送れるなどの利点があり、また、このメールシステムをさらに応用したものに、メーリングリストがあります。これは、そのメンバーがメールを出すと、グループ全員に配信され、参加者はメーリングリストサーバーに電子メールを送信すると、メーリングサーバーは送られてきたメールをメンバー全員に配信する仕組みになっています。
インターネット上の電子掲示板サービスがこれに相当します。ネットニュースは、電子メールと違い、不特定多数に特定のテーマに関する情報を配信するサービスで、NetNewsには学術的テーマから趣味に至るまで多数のニュースグループがあり、記事(またはアーティクル)を投稿(またはポスト)すると、世界中のニュースサーバーへ転送されるようになっています。
ファイル転送のプロトコル(規則)、またはそのサービスをさします。つまりインターネットを経由して特定のコンピュータにあるファイル(プログラムやデータ等)を自分のコンピュータにダウンロード(取り込む)することや、逆に相手のコンピュータの特定の場所に自分のファイルをアップロード(書き込む)することができます。
超高速インターネット回線(ブロードバンド)の時代を迎えようとしていますが、この技術を使えば、映画やテレビ番組・音楽さらには、録音図書やデイジー図書等配信サービスが始められて来ると考えられるのです。したがって、その応用範囲はますます広がるものと思われます。
情報のバリアフリーとよく言われます。これは、「情報技術(ITをバリアフリーにする」という意味で用いられますが、「情報技術がバリアフリーを進める」という意味をも持っているように思われます。すなわち、「全てのITを誰もが使えるものにして行くための標準化を進めることが、あらゆる面でのバリアフリーを進めることにつながると考えられるのです。
ところが、現在の状況は、そのようにはなっていません。一刻も早く改善を望みますが、そのためには、全ての人々がこれらの問題を認識しなければならないと考えています。視覚障害者の立場で具体的な課題をあげてみます。
現在、ネットワーク特にインターネットにアクセスするための道具は、パソコンだけではありません。現在急速に加入者が増えているのが、Iモードを中心とした携帯端末機です。今後おそらくこの携帯端末機を利用したサービスがいろいろなところで行なわれて来ると思われますが、視覚障害者にとっては、これが使えない状況にあります。まさに、新しいしかも、大きなバリアが作り出されているのです。
私は、むしろ、この携帯端末機を視覚障害者にも使えるようにし、さらにそれを応用すれば、例えば、視覚障害者の外出支援あるいは、誘導支援システムとして使うことも考えられるのです。まさに情報技術がバリアフリーを進めることにつながるのです。障害者の使用を福祉政策としてではなく、むしろ積極的にバリアフリーを進め、障害者の社会参加をはかることで、新たな雇用を生み出し、納税者・消費者として考える発想の転換が必要なのではないかと思われます。
ウェブページは見るだけのものとは限りません。視覚障害者にとっては、主に音声ブラウザ(ウェブページ閲覧ソフト)を使い、合成音によってその内容を確認しているのです。
ところが、最近では、画像データを取り入れたかなり大きなファイルであっても、通信速度の高速化等によってわりとすばやくアクセスできるため、画像データをふんだんに取り入れたウェブサイトが増えています。
視覚障害者に対する配慮を欠いたウェブの増加は、新たなバリアになりかねないのです。今後電子政府や自治体サービスの電子情報化を始め、各企業が進めるインターネットを利用したサービスについては、誰もが利用できるものにするためのユニバーサルデザインの考え方が必要になるのです。
ウェブブラウザにおけるサーバーの国際標準化団体「W3C」(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)は、障害者等に対するアクセシビリティ確保のための基準を作成しています。
昨年5月勧告の「Web Content Accessibility Guidelines 1.0」は、W3Cのアクセシビリティ作業部会「WAI」(WebAccessibility Initiative) が策定していますが、これは誰もが利用しやすいウェブコンテンツを作るための基準です。
同ガイドラインでは、ウェブアクセシビリティ確保の基準を3つのレベルにまとめています。
最も基本的な項目の「優先度1」は、画像、イメージ、アニメーションGIFなど、すべての非テキストデータに、代替コンテンツ(テキスト情報)を付属する、 視覚的に色で識別する情報は、色なしでも区別可能にする、本文と画像用のキャプションをはっきり識別できるようにする、 動的に更新されるものは、それの変更を代替コンテンツに反映させる、 音声を伴うマルチメディアデータは、代替コンテンツが読み上げられるまで控えるという内容になっています。
それでは、これらをふまえ、わが国においては、これらの問題をどうとらえているのかと言えば、ウェブアクセシビリティの指針を検討する機関として、今年1月に発足した郵政省・厚生省合同の研究会「高齢者、障害者の情報通信利用に対する支援の在り方に関する研究会」を設置しています。
同研究会では、肢体障害者、高齢者までを含め、ウェブのみならず情報通信全体のバリアフリー化の方策を研究するものですが、これまでに3回の会合を開いており、5月までに報告書をまとめる予定になっています。
報告書作成後は地方公共団体などに推奨システムの採用を働きかけていくことになっているようですが、強制力はなく、他省庁に対して提案するのも「具体的なシステムを示してからになる」とのことです。
今後、より強制力を持った法制度の整備を強く望むところです。
今後各職場でこのLANが急速に普及して行くものと考えられますが、このLANシステムと音声ブラウザでの使用法については、未知数の課題が多くあるように思われます。
横浜市立盲特別支援学校においても、既にLANを導入し、いろいろなコンテンツを利用していますが、とりあえず手探りの状態での運用が続いています。 特に、各サーバとの関係はかなり難しいところがあるようで、このLANの構築に当たっては、かなりの専門的な知識と技術が必要のため、SEと視覚障害当事者との密接な連携のもとに設計・構築をして行かなければ、視覚障害者にも使えるものになって行かないように思われます。
大きなところでは、サーバ側のOSの問題と、クライアント側のOSの問題にも関わって来るため、マイクロソフト社の技術者の協力と援助を得ながらの構築を考えざるをえないため、より多きなプロジェクトによる実験と検証を積み重ねて行かなければ解決しない課題であるように思われます。 新たなばりあトシナイタメニモ、早急な対応が必要と考えています。
現在Windows上で動作する各種ソフトウエアを使い、またインターネットやローカルエリアネットワーク上でのコンテンツを操作するためには、表記ソフトウエアが必要になります。
しかし、それらの全てが音声化できるわけではありません。アプリケーションソフトやコンテンツの作成の当初から視覚障害者に対する配慮を考えていないものについては次元の異なる問題になるのですが、音声化が可能であっても、各音声ソフトとの相性があり、どのソフトでも同じように使えるわけではありません。
また、多くのウェッブサイトでのグループウエア(チャットや掲示板等)での操作や、フレーム機能を持つコンテンツ等の操作には、かなりの熟練度を必要とします。
これらの課題を解決するためにも、ハードウエアや・各アプリケーションソフト、また、スクリーンリーダーや音声ブラウザ等のユニバーサルデザインとしての標準化が必要と考えます。
知識を持たない視覚障害者がパソコンを購入し、Windowsの基本的な操作を覚え、さらにインターネットやLANでのウェッブやメールの活用をするためには、各種アプリケーションのインストール・プロバイダーの選択・ダイヤルアップの設定・ネットワークコンピュータの設定等視覚障害者自身がこれらを行うことは、不可能です。
したがって、これらを行うためのサポートが必要となりますが、その条件として、パソコンに対する専門的知識を有し、しかも、視覚障害者用各種アプリケーションソフトに対する知識も必要になって来ます。この両方を備えた人がサポートに当たる必要がありますが、それらを公的に実施できる機関はほとんどありません。やむをえず、パソコンボランティアと呼ばれる人達に頼らざるを得ないのが現状です。
現在IT基礎講習会が各地で実施されていますが、視覚障害者に対する配慮を含めた計画・実施が必要になりますが、行政担当者の認識が十分あるかが問題になります。一刻も早く公的措置が必要となります。
現在視覚障害者用に会発された各種ハード・ソフトウエアは、いずれも一般のものに比べ、かなり高価です。シェア(パソコン使用者数)が極めて限られているため、高価なものにならざるをえません。視覚障害者用のハードウエア」については、会発または購入に対する公的な補助制度が必須であると考えられます。
また、スクリーンリーダーや音声ブラウザ等、視覚障害者にも使えるソフトウエアについては、会発ならびに購入に対する補助という考え方もありますが、むしろ、それらのソフトウエア」をユニバーサルデザインとして、標準添付する等の発想の転換が必要になるのではないかと考えています。
今後高齢化が進み、多様なニーズに対応できるソフトウエアこそが、求められているのです。各種ソフトウエアを開発する企業がこのような認識に立つことはもちろんですが、これらを実現させるための強制力を持った法制度の整備が早急に望まれるところです。
一般にネットワークとは、「固定した組織内の部門間の関係と、全く独立した組織間の関係との中間にあたる組織関係で、半ば独立した、組織のゆるい関係の相互連合体。中間組織とも呼ばれている。」と定義されています。
現在いろいろな意味合いを含め、このネットワークの重要性が叫ばれており、まさに今、「高度情報通信ネットワーク社会」をむかえようとしています。ともすれば、ITとかコンピュータという言葉のひびきや、インターネットにおける匿名性とか、相手が見えないとかの理由で「人間性」を忘れがちになります。
しかし、私達がコンピュータ等を使って参加するネットワークは、「人間のネットワークであり、そこには、血のかよった人間がいることを忘れてはなりません。したがって、ITならびにあらゆるネットワークは、人間性にあふれた、まさに人にやさしいものでなければならないのです。
その意味では、インターネットを始め、あるネットワークを利用する人は、最低限のエチケットを守らなければならないのです。それを定めたものにネチケットガイドライン」があります。他人を非難・抽象したり、相手を騙すような発現や行為は厳につつしまなければならないのです。 最後に、このネチケットガイドラインに書かれているものを引用し、本稿を終えたいと思います。
かつて、インターネット社会の住民は、インターネットで「育ち」、技術的に注意されて、その情報転送やプロトコルの性質を理解しました。
今日、インターネット利用者の共同社会には初めてその環境を体験する人々が含まれています。これらの「新参者(Newbies)」は、その文化に慣れておらず、情報転送やプロトコルについて知る必要を感じていません。これらの新しいユーザを早くインターネット文化に導き入れるために、このガイドは、各組織と個人が自分自身の使用のために採用し、適合化できる最小限の組み合わせを提示します。
インターネット・アクセスを提供しているのが誰かに関わらず、各個人は、その組織の持つ、メールとファイルの所有権および適切な投稿・送信のしかた、自分自身を表現するためのやり方についての規則を知っていなければなりません。(以下略)
視覚障害者のIT活用の現状と課題