学校図書館(情報メディア支援)におけるAT支援機材 −PDAを活用したユビキタスラジオの活用例− 横浜市立盲特別支援学校 高等部普通科  松田基章 協力:情報メディア支援部(横浜市立盲特別支援学校学校図書館2003〜2005) はじめに 現代急速な情報化が進み、高機能な携帯電話や携帯端末がネット配信などインターネットをさまざまな人が利用している。これらのハードウェアやソフトウェア、インフラの普及は容易に情報伝達や情報収集を可能とし生活の利便性向上が図られた。一方、これらの情報化の進む中、情報機器が利用できない、また、うまく活用できないためのDigital Divideという現象が起こっていることも事実である。これらは障害を持つ人だけでなく、今後増え続ける高齢者などの支援も含まれている。高機能な携帯電話やパソコンは、大概、GUI(Graphical User Interface)を利用を考慮したものである。目で見るということは視覚障害者や物が見づらい高齢者にとっては、非常に利用しづらい機器である。最近、音声で操作できるPDAが開発されてきている。これらを授業の中に取り入れ生徒に活用・体験し、生徒の社会参画支援のICTによる支援を図っていきたい。 有効性・必要性 道路はバリアフリー化が整備されつつある状況であり、神戸では国土交通省を中心に、大規模に、自律的歩行プロジェクトが進行している。今後は視覚障害者や高齢者が気軽に街に出かけられる環境が整うことは間違いない。視覚障害者が移動中でも気軽に情報を得たいというニーズが生まれてくる。そこで移動先でも気軽に音声でニュースやエンターテイメントの情報や地理情報を得ることができる仕組みを作ることで、障害者や高齢者が積極的に社会に対し目を向け、社会に参加できるIT活用の仕組みを利用できることを、教科の中でも活用していければと考えている。 成果目標と期待できる効果 1)携帯端末を気軽に持ち歩き、いつでもどこでもNet情報が受け取れる体験     2)図書館の資料を著作権法等に十分に配慮し、PDAにいれて持ち歩いき活用    3)PDAをICT活用(メール・ニュースの配信)  視覚障害者の特殊な機材ということではなく、ユニバーサルデザインの意味合いで汎用の機材を幅広いIT機材の便利な点や出来ないことを生徒同士相互の情報交換することによって問題点も把握できる。実体験と同時に、インターネット・情報ネットワークを通じて、自ら情報検索をしたり、調べたり発表したりすることによって、情報を共有することができ、自ら機材の特徴や更に詳しい内容について調べる力を培える。そして、情報資料の利用方法を自然に習得できる、さらに、相互批評の中から、他の人の考えや機材の総合的な評価をすることができる。さらに、次の単元の情報のディジタル化の学習に繋げると同時に、機材を触りながら、楽しみながら将来の社会生活の中での活用を想定したイメージの理解に繋がる。マルチメディア機材への利用にあたっては、生徒の興味関心も高く、今後の活用を考慮し、音楽・書籍・ディジタル資料の著作権を充分に考慮した学習が必要である。まったく新しい情報配信の仕組みを作ることで、情報提供する側(商店街など)に対しては障害者が街に出かけることで地域活性化につながり、情報配信(各メディア)する側にとっては、情報バリアフリーとしての仕組みを社会システムとして確立することが可能である。利用者側にとっては、自分の必要な情報を簡単に音声で確認することが可能となる。 また、このような情報バリアフリー的な仕組みであれば、当然高齢者などにも利用の幅が広がることが期待でき、ユーザのターゲットを大幅に広げる可能性が高い。開発が進み、大量生産が進めば、一般の機材に使用され、誰もが便利に使える物が多く世の中に出現する。今回の、この試行も、視覚障害者がモバイル機材を使えるようになれば、社会全体のユニバーサルデザイン化が進展するものと考えられる。また、情報配信手段として確立することになれば、視覚障害者や高齢者への情報バリアフリー化を促し、携帯端末を持つ誰でもが最新情報を入手することができるようになる。普段・どうしても手近な機材や写真・VTRなどバーチャルやお話で授業を進めてしまいがちである。生徒に実物を見て、触って、聞いて試してもらうことは大切である。通信端末の仕組みの理解やほとんどボタン操作だけでメニュー選びが可能であり、さらに拡大文字も38ポイントまで対応している。弱視の生徒にとっても大きな文字で見えて、補助的に読み上げでサポートできる点が好評である。これらの機材はユニバーサルデザインの観点からも重要な要素である。 現在、京都府立盲特別支援学校との交流を通じて、PDAを使ったIP電話について試している。 (Web:http://www.u-radio.jp/)