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◆弱視
盲学校というと、全員が点字で学習していると誤解する方も多いのですが、「全盲」の方は5割弱で、文字を拡大した教科書を使ったり、拡大レンズ等を利用して教科書を読んでいる「弱視」の幼児・児童・生徒もかなりの数在籍しています。
視力や視野は病状や年齢とともに変化していくケースがあります。視力に合わせて教材を用意しなければならないので、保健室では年に2回視力検査を行っています。
おなじみの黒い丸の一部分が欠けている「ランドルト環」を利用した視力検査ですが、案外難しいのです。大人や可能な人にはそれを使いますが、幼児や、発達段階に遅れのある児童生徒の視力検査ではランドルト環では検査できません。四苦八苦ですが、ここは養護教諭の腕の見せどころです。
◆Hちゃんが「ピーポー」と!
暗室に入っただけで「暗い」とわかる子どもは明るいか暗いかだけがわかる「光覚」。ペンライトを目の前でつけたり消したりして、目で追いかけたり、手で触ろうとすれば、光を理解すると判断するのです。
Hちゃんは、「光覚」と診断されています。暗室に連れて行き、赤いプラスチックカバーのついたペンライトを目の前で動かしました。突然Hちゃんは「ピーポー」と大きな声をあげたのです。サイレンを意味しているようです。Hちゃんはもしかしたら、赤い「色」が分かるのかもしれません。次回の検査が楽しみになりました。
◆バスが大好き!
見えるものの大きさとそこまでの距離から視力を計算することができます。保健室では壁に様々な大きさのシールを貼ったりして、子どもがみつけるかどうか観察して視力を推測します。
Kさんは、バスが大好きで、スクールバスを眺めているとにこにこします。保健室に入ると障害物を避け、どこにもぶつからず窓に向かって歩きます。窓からバスが見えるからです。しかし、トーマスのシールも、アンパンマンも、バスの写真も見つけてくれません。きらきら光る紙切れを振るとチラッとこちらを見るのですが、すぐにバスの方に向いてしまいます。ボール、ぬいぐるみ、おもちゃ等いろいろな大きさのものを振ってKさんの関心をこちらに向けようとするのですけど、Kさんは、振り向いてもくれません。「バスだけが好き」ということだけが伝わってくるのです。
心の目が向いていなければ、視力は測れません。何も見えないことになるのですね。