学部・施設紹介

トップページ学部・施設紹介学校図書館2002全国学校図書館研究大会資料>(現在の位置)盲・ろう・養護学校、個別支援学級の 読書指導

学部施設紹介

盲・ろう・養護学校、個別支援学級の 読書指導例

実践例1 ろう学校小学部低学年

1.合同読書
本校小学部低学年(1年〜3年)では毎月のテーマを決めて、月1回、合同読書の時間を設けている。
月間テーマは、以下のようになっている。

4月 目標をもとう 10 月や星の本を読もう

5月 体やスポーツの本を読もう 11 本を読んでいろいろなものを作ってみよう

6月 生き物の本を読もう 12世界の国々の本を読もう

7月 平和の本を読もう 1 伝記を読もう

8月 夏休み中に他の図書館へ行ってみよう・読書感想文を書こう2 読書発表をしよう

9月 お話の本を読もう 3 一年間のまとめをしよう

先生がホワイトボードの前に立ち、なにやら提案をまとめている様子の写真 子ども達が床にしゃがみこんで、何かを書いている写真 ホワイトボードの前に黄色い服を着た女の子が立って、なにやら発表をしている様子の写真
合同読書(11月の様子)

このテーマに沿って月に一回、合同読書の時間に本の紹介をしたり、ビデオを見せたり、読み聞かせを行ったりしている。また本の扱い方や並べ方、リソースセンター(図書室)の使い方などについても合わせて指導を行っている。

2.読書ファイル
毎年4月に、読書ファイルを作っている。児童たちは読んだ本の題名や思ったこと、考えたことなどを絵や文で表してくる。
大体週に一冊程度書いてくる子どもが多く、多い子どもでは一年間で70冊程度書いてくる子どももいる。
学年によって、絵を書くスペースを多くしたり罫を増やしたりと、学年にあわせた用紙を工夫している。


3.読書感想文
2学期には今まで書いてきた読書ファイルを元にして、読書感想文を書く。読書感想文の書き方については、各クラスで指導を行っている。それぞれの読書感想文をまとめて、12月に読書感想文集を作成している。


4.読書発表会
作成した読書感想文をもとに、2月に読書発表会を行っている。読んだ本の題名、思ったことや考えたことを一人一人が発表を行っている。


5.評価・課題
毎月のテーマに沿って、本を紹介したり、視聴覚教材を用いたりしながら話ができるので、系統だった指導がしやすく、児童たちも1年生から3年生まで一緒に活動する中で、「もっとたくさん本を読もう」「読書ファイルを書こう」という意欲にもつながるようである。
一方で、読書ファイルの書き方の指導や読み聞かせなどについては、各クラスの実態に応じて行っていく必要がある。


図書館を利用する子ども達を、上から撮った写真 4、5歳くらいの男の子が、図書館のノートパソコンを使っている写真 図書館内のじゅうたんの上に寝そべって、本を読んでいる子どもの写真

実践例2 小学校個別支援学級1

1 タイトル: 大型本を使った読み聞かせ

2 サブタイトル: 「ジャンボ絵本」を通して,本のいろいろな楽しみ方を体験する。

3 メディアの種類: 絵本

4 対象: 小学校個別支援学級2年・5年

5 実施時期: 学期1回

6 内容:
かこさとし氏の作による「ジャンボ絵本」を使った「読み聞かせ」の時間を設定している。物語の進行は場面の解説と場面の登場人物(動物)の演奏する音楽(共にCDによる)によるものである。
繰り返し絵本を楽しむ時間を設定しているが、物語の内容のおもしろさだけでなく、覚えやすい音楽が一緒に楽しめるという点が大きなポイントである。
CDのトラックの番号の表示に合わせて物語の進行を一時停止し、児童の一人がページをめくり新しい場面に移ると同時に、CDの一時停止を解除して物語を進行させるという約束をつくっている。
一場面ごとに交代でページを進めていくのであるが、11あるページまで音楽に合わせた場面の発展を予想しながら、また,歌いながら個々のスタイルで楽しんでいる。

7 評価・課題:
定期的に時間を設定していることで、児童が物語の進行を予想し、展開のおもしろさを毎回味わえるという点がこの教材のよいところである。特に体全体でページをめくり、次の場面に変わった時の児童の反応に、絵本を楽しむことの原点をみるような感がある。
今後は、通常の絵本をこのような形で楽しめるような工夫をし、楽しめる要素がたくさんある読み聞かせの時間を増やしていきたい。

ジャンボ絵本の見開きページ。海面を泳ぐ鯨の背中に、沢山の人が乗っているシーン 子ども達が椅子に座って、紙芝居を見ている写真 先生に手助けしてもらいながら、パソコンで絵本CDを見ている子どもの写真

実践例3 小学校個別支援学級2

1 タイトル: 図書館で紙芝居を楽しむ。

2 サブタイトル: 「紙芝居」に読み手としてかかわりながら,読み物に親しむ。

3 メディアの種類: 紙芝居

4 対象: 小学校特殊学級2年・5年

5 実施時期: 学期1回

6 内容:
毎週月曜日の1校時に、学級で図書館が使用できる割り当てがあり、この時間を積極的に活用して学級の児童と校舎の2階にある図書館を訪ねている。(学級は1階)
前半は、紙芝居による読み聞かせの時間として、児童が興味をもてそうな内容のものを選んで担任が演じる形をとった。
後半は、児童が借りた本を返したり、好きな本を借りたりする時間として設定し、実際に返し方、借り方の練習を繰り返している。
このような中で、苦手意識から、読み物を一定時間集中して読むことに抵抗があり、なかなか取り組めなかった児童に、抵抗が少なく自然に読み物に親しめる場面として、紙芝居の読み手を担当する機会を設定してみた。
聞き手としての友達の存在や、文章の量が丁度よく、一回ごとに物語の完結がむかえられることなどが強い動機付けとなり、図書館での自分の役目として継続して取り組めるようになった。
題材は、児童の知っている昔話や身近な「食べる」ことや「健康」にかかわる紙芝居を選択している。

7 評価・課題:
一冊の本の文字の量が大きなハードルとなり、日常的に読むことになかなかかかわりのもてなかった児童を、読み物に誘う手法の一つになったかと思う。題材が限られてしまう傾向があるので、児童、教師それぞれの自作の紙芝居も導入しながら続けていきたい。また、録音してテープにより紙芝居を進行することで、時には、自分が聞き手として紙芝居を楽しめるような機会もつくっていきたい。

実践例4 盲特別支援学校

1.生徒たちをめぐる読書環境の変化

(1)蔵書メディアの種類と利用

蔵書は大きく分けて、点字・録音・墨字・拡大図書等から成り立っている。ただ、ひとくちに点字図書といっても、文字だけの図書以外に手で読む絵本・点字付き絵本・点図など様々である。また、これまでは手作りの図書が主流であったが、パソコン点訳の普及により、FDデータで保管をし、必要な時に音声で聴いたり、プリントアウトしたりできるようにする電子図書館化構想も進行中である。

一方、録音図書もテープだけでなく、デイジー図書や、CDがある。さらに今年は音の出るしかけ絵本を取り入れたところ、とても好評である。今後は、検索ができるCD-ROMや、ビデオなど、多種多様な図書を導入する方向なので、幅広いメディア構成に対応できるように図書館整備体制を整えている。

デイジープレーヤー オプタコン 拡大読書機

いつでも快適な環境を提供していかなくてはならない。また、新刊・読み物・調べ物・音声・専攻科・パソコンコーナーにブロック分けをしており、学年を問わず、目的に応じて利用できるような配置にしている。
その他、拡大読書器2台・デイジー図書専用再生機10台・「よみとも」付スキャナー1台・自動高速ダビング機1台・消磁器1台など、特殊機器を取りそろえており、原則的にセルフサービスとなっている。そのため、音声対応のコピー機を導入したり、利用案内を配布したりしている。
また、配置図を墨字・点字で掲示する他、「トーキングサイン」の設置を試み、できる限り自分自身で探しものをし、目的を果たすことができる体制作りに取り組んでいる。今後は、OA機器を中心とする図書館内設備の整備・充実と利用指導の徹底化を図るとともに、そうした機器に詳しい人材の確保にも努めていかなければならない。


特別な配慮を必要とする児童生徒の図書館利用(年齢差・個人差に程度に応じた読書支援)

カーペットフロア
自由な姿勢で読書できる空間で、車椅子の児童生徒も、座位を保てない、椅子に座っていられない子ども達も、ここでごろごろして、そしてBGMとして「おはなしでてこい」などの音楽付き、効果音付きの録音テープを流す。時には、そのままお昼寝になってしまうこともあるが、テープの中の何かに興味を持てば次の指導の手がかりになる。ちなみに、ふわふわのホットカーペットが敷いてあり、大きな縫いぐるみ等が待っている。


図書館で遊ぶ
電動式のぬいぐるみ・音の出るおもちゃ絵本・VTRコーナー、アラーム音を聞きたくて図書館に来る生徒もいる。本の配達をして、図書館へ返しに来てもらう。


「触る絵本」「手で読む絵本」
触る絵本は、手で見る絵本である。登場人物や動物等、絵の部分を様々な素材を使って、再現している。幸いなことに、本校では布で作った「さわる絵本」を製作してくれるボランティアグループが二つある。様々な工夫で、かなり本物の質感や形をイメージできて、とても楽しい絵本になっている。

「聞くだけ」の読書から、触れて読む読書への導入をはかっている。手を包み込むように、十分指で触りながら指からたくさんの情報が得られることを体験させている。


点字絵本
先生や,お母さんに絵本を読んでもらいながら、点字に触れる。あくまでも「絵本」なので、十分な絵の説明が必要である。

3.図書資料の充実

  • 教育課程に応じつつ,蔵書のバランスを考えた長期計画
  • 障害の程度に応じた関連図書・メディアの充実

4.図書館ボランティア
図書整理・読み聞かせ,字幕の制作(ろう)・点訳・音訳(盲)・字幕の制作(ろう)など
図書委員の生徒達が、図書館で会議をしている写真 ボランティアの方々が、図書館の蔵書を整理している写真 ボランティアの方々が、図書館の蔵書を整理している写真その2


5.館々貸し出しならびに地域宅配サービスの利用
学校図書館の蔵書数には予算・スペース共に限界がある。公共図書館等との相互協力の元に有効利用する必要がある。

実践例6 養護学校(小学部・中学部・高等部)
『見て、聞いて、触ってイメージを広げよう』

児童生徒一人ひとりの,読書活動から感じ取る心や知りたい欲求をかなえ,間接的に経験を広げたり,生活を豊かにしたりすることができるように,自分で文字を読んで読書に親しむ以外の方法でも「本の心」に迫れるような活動を設定した。

例えば,絵本の読み聞かせ・紙芝居・劇あそび・パネルシアター・ペープサートなどの活動では,耳で聞いて・目で見て・触って,できごとやストーリーのイメージを感じ取ったり,ストーリーの中に参加したりすることで,その後の読書活動に対する児童生徒の興味・関心・意欲を引き出すことができる。
また,一口に図書といっても,音の出る絵本・しかけ絵本・触って感じる本など,文字だけでなく,視覚・聴覚・触覚などを使って楽しめる本もどんどん増えてきている。近年は,視聴覚教材であったビデオやCD・DVDなども,図書館の蔵書として取り入れられてきており,その利用頻度も年々上がってきている。
すでに,映画・アニメーション・ドキュメント・図鑑・学習などのビデオを見る活動は,児童生徒の日常生活の一部となっており,図書館で自分が選んで借りたビデオを,見て楽しみ,興味・関心を深めたり感動したりすることも,将来の豊かな生活(充実した余暇活動)を目指した活動といえるだろう。
ビデオを見る時の児童生徒の画面に見入る真剣な表情や,身体全体を使って関心を表す様子から,自分なりに内容を受けとめようとする気持ちが十分伝わってくる。また,ビデオを友達と一緒に見たり聞いたりすることで,感想を言葉にできなくても,その表現から,友達の興味・関心や心の動きを感じ取ることができる。

さらに,物語・映画・事典・情報などのCD・DVDをコンピュータや視聴覚機器を使って見る(聞く)活動でも,個に応じた適切な補助用具を利用することで,読書(文字・映像・音声)の楽しさを味わうことができる。
一人ひとりのニーズに合った読書経験を重ね,自分の意志で見て・聞いて・触ってイメージを広げることが,自分たちの生活経験を広げていくことにつながり,さらなる読書意欲をよぶといえるだろう。

棚から、ビデオを選んでいる男の子の写真 音の出る絵本・触る絵本の写真 パソコンのモニターに映し出された、CD絵本の1ページ

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