 
教育センター 所長 近藤 昭一
新年度を迎え一ヶ月半が過ぎました。リクルートスーツに身を包んだ若者たちが街を歩く姿も、どこなとなく落ち着きを見せ始めたような気がします。
新年度、横浜の市立学校は約千人の新採用者を迎えてスタートを切りました。本市の約1万5千人の教職員の中の新採用者千人、しかも、今後、毎年約千人規模での採用が続いていきます。新採用者を含め今年度で3年目を迎える教職員数の合計は約2千700人に上ります。大量退職、大量採用の時代を実感させる数字で、横浜の学校教育の人的側面でのエポックとも言えます。
社会のめまぐるしい変容の中、教育の重要性がことさら強調されている現代、これまで横浜の教師たちが着実に築きあげ成果を上げてきた実践の数々、その技や力量、その価値や子どもへの思いを、時代の普遍の価値として共有し、さらに磨いていく必要があります。
教育センターとしては、初任者研修や5年、10年の年次研修はもちろん、管理職研修、教職専門研修、指導者養成研修、企業派遣等の特別研修などを「キャリアステージ」として構造的に設定し、教員研修をサポートしていきます。この「キャリアステージ」は、教師の生涯を通した職業人としての成長を支えるという考え方に立ち、採用直後からの基礎能力の開発期やその後の活用期の研修をはじめ、学校運営や組織マネージメント等の管理・指導能力の育成をはかる研修を設定しているほか、いわゆる「生涯一教師」として教職の専門能力や後進への育成力を磨くプログラムも設定しています。
年々新人が加わって行く学校現場において、研修と言う教師の学びは、若手だけでなく、あらゆる年齢層、そして、あらゆる立場の教師にとって、教師であるための条件であり、証しであるように思います。子どもの前に立ち、子どもに向き合い、その心を受け止め成長を支えていく教師と言う職業人にとって、生涯学び続ける教師のあり方は、子どもたちへの誠意に他なりません。
ロシアの画家で美術理論家のヴァシリー・カンディンスキーは「実践による直截な模範の裏付けがなければ、言葉など役に立たない」と言葉を残しています。洋を東にとれば、王陽明は「知は行の始めにして行は知の成なり」として知の行動性を説き、これを不可分とする「知行合一」を思想基盤の一つにしています。
実践行動と直結する学び(研修)は、職業人の生涯を支え、仕事を支えます。自らへの課題意識を謙虚に掘り下げ、みずみずしい学びに身を置いて、自らを磨く姿勢こそ、教育実践の基盤です。教師の皆様が学びのキャリアステージの中で、確かな成長の実感を得られることを祈る次第です。
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