教育課程研究委員会 研究協議会 中学校美術専門

2005818日(木) 技能文化会館

主題 「生徒一人ひとりの主体的な活動を推進する、個に応じた指導の一層の充実」

(1)習熟度別指導の指導方法や指導体制の工夫・改善  

     美術科における「習熟度別指導のとらえ」:美術科の指導や支援は、これまでも基本的に個に応じることを軸に行われてきた。あらためて個に応じた指導について考えると、「個に応じた指導」とは生徒の発達段階やそれぞれの特性、学校の実態、特色等に応じ、生徒自らの課題を追求する課題学習、表現・鑑賞の能力を補充的に高める学習、創造的・独創的な芸術表現を追究する発展的な学習などを通して、生徒一人ひとりの確かな学力を育てることである。このことを美術科における習熟度別指導ととらえる。

     提案授業例「やさしさのデザインを考えよう」:今日的な題材としてユニバーサルデザイン(UD)をとりあげ、授業の展開においては外部講師の活用と合わせての提案である。美術科の現状を鑑みて、1教室1教師であっても、個の習熟度に応じて対応可能なワークシートの活用の工夫が提案された。

(2)必修教科と関連を図った選択教科の充実

・必修教科の目標と年間計画を前提に、選択教科においては補充的な扱い、発展的な扱い、課題学習的な取り組みが行われる。

     選択教科は必修教科の目標の実現を目指して行われるものである。評価の観点については必修教科と同じものを用いることができる。ただし、目指すべき学力について十分注意しながら、学校独自の観点を設けることも可能である。

     学校や生徒の状況等を総合的にとらえ、適切なコースを開設しなければならない。

     選択教科においてはその取り組みが補充的・発展的・課題学習的な取り組みによって目標も異なり、評価規準もその目標にそって設定されるものである。

     授業の具体例1:「切り絵で表現」。

     授業の具体例2:「ORIGAMIC ART」

     授業の具体略例1〜7

(3)目標に準拠した評価の客観性・信頼性を得るための具体の評価基準の作成とその運営・改善 

提案授業例「ピカソのゲルニカを鑑賞する」

     鑑賞の授業を取り上げ、具体の評価規準の設定と指導例及び評価規準の改善例を提示する。:鑑賞の授業では、作品や映像を観たり、教師の話を聞いたりするだけではなく、作品に対して自分なりに色を塗りながら、作品を分析的しながら、作業体験を通して「観る」体験をさせる。

     題材の目標を明確にし、おおむね満足とされる状況を評価規準とする。そして、評価規準、評価資料をもとに「十分満足とされる」と判断した根拠と子どもの具体的な姿が提示された。さらに「評価規準に満たない」と判断された生徒への具体的手立てについて提示された。

(4)情報処理機器を活用した美術科の授業の展開について。

デザイン領域の授業におけるコンピュータの活用について、もっともベーシックな形でデザインの構成要素について学ぶ方法についての提案。

     インターネットを利用した美術館探訪を通して、鑑賞の授業を進める方法についての提案。

     映像領域への発展的取り組みとして、街中から「美」を見つけた写真とプレゼンテーションについての提案。