市中美研究テーマ 「つくるよろこび・みるたのしみ・生きるよろこび」
(社会との関わりを意識した美術の授業) |
研究授業 題材及び目的
2005年度パイオニアスクールよこはま(PSY)研究指定校
横浜市立日吉台中学校における
「造形教育による次世代市民育成」に関する実践的研究
1、授業者
宮下幾子(横浜市立日吉台中学校)
ゲストティーチャー
佐藤俊夫(デザイナー)
2、学習者
横浜市立日吉台中学校1年1組生徒 38名
3、授業の題材名
「ユニバーサルデザインを知る」
~どんな人にも簡単に公平に使えるもの~
4、授業内容
日吉台中学校では造形教育による次世代市民育成を目指し、様々な取り組みを実践している。今年度は授業にデザイナーを招き、直接話を聞くことにした。その一つとして、昨年度、市の美術研究会で発表された「ユニバーサルデザインを知る」の授業に取り組むことにした。
ユニバーサルデザインに取り組むデザイナーから直接話を聞き、デザインが私たちの日々の生活にどれほど身近で重要な役割を果たしているかを知る。
その上で、オリジナルな日常製品や設備のデザインに挑戦し、アイデアスケッチにまとめる。
5、授業時間
2005年7月1日(金)5校時 13時30分~14時20分
6、授業場所
横浜市立日吉台中学校 第1美術室
中学校美術科における習熟度別指導の指導法や指導体制の工夫・改善
「ユニバーサルデザイン」
~全ての人を意識したデザインと、その必要性~ 横浜市立日吉台中学校の例
1、授業者
宮下幾子(横浜市立日吉台中学校)
ゲストティーチャー
佐藤俊夫(デザイナー)
2、学習者
横浜市立日吉台中学校1年生 38名
3、授業の題材名
「ユニバーサルデザインを考える」
~どんな人にも使いやすく公平に使えるもの~
4.題材設定の理由
日吉台中学校では造形教育による次世代市民育成を目指し、様々な取り組みを実践している。
今年度は授業にデザイナーを招き、直接話を聞くことにした。その一つとして、昨年度、市の美術研究会で発表された「ユニバーサルデザインを知る」の授業に取り組むことにした。
(1)学習内容について
ユニバーサルデザインに取り組むデザイナーから直接話を聞き、商品を手にとって体験することでデザインが私たちの日々の生活にどれほど身近で重要な役割を果たしているかを知る。その上で、オリジナルな日常製品や設備のユニバーサルデザインに挑戦し、アイデアスケッチにまとめる。
ユニバーサルとは万能で普遍的なことを指す。私たちの暮らしや社会は、便利で豊かな社会であり、大量生産された人工物やデザインで氾濫している。一見、便利で快適な社会のように感じるが、あらゆる使い手に快適で使いやすいモノや環境であるだろうか。私たちが普段慣れた目や耳で接していると、ある一定のユーザーを対象に作られたモノの使い勝手に気付きにくい。使い手の様々な負担を押さえつつ、個人に不平等感を招かないデザインについて、デザイナーから直接話を聞き、私たちの生活を豊かにする身の回りのモノのデザインに必要な心遣いを知る。
(2)生徒の実態について
生徒の身の回りは、文房具から携帯電話などのモノで溢れている。気付かないうちに使っているモノはその多くが使いやすく便利なモノである。けれども、大量生産されたそれらのモノが、だれにとっても使いやすく便利なモノであるかはあまり意識してはいない。自分たちの普段何気なく使っているモノを、デザイナーの話を伺い、ユニバーサルデザインとは何かを考えながら、改めて見直して欲しいと考えた。そして、つくり手と使い手が相互の立場を理解し、どのような人でも、体格や身体能力の違いに関わらず、できるだけ同じように使えるようにデザインに配慮することで、皆が共に楽しく生活出来る事を知る。
5.ねらい
身近なモノにあるユニバーサルデザインを意識を集中して観察・体験し、発見する。次にオリジナルな
日常製品や設備のユニバーサルデザインに挑戦し、アイデアスケッチにまとめる。
自分以外の第三者の気持ちを理解し、配慮したデザインを考える。
6.本時
グループにそれぞれユニバーサルデザインされた商品を配布する。日常生活で、目にするモノをじっくりと観察し、ワークシートに記入しながら気付いたことを発表する。その後、デザイナーよりデザインするという立場での話を伺い、ユニバーサルデザインについてまとめる。
7.本日の学習過程
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学習活動と内容 |
教師の支援 |
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導 入 5分 |
1.ユニバーサルデザインの冊子を配る |
1.冊子を見ながらユニバーサルデザインに ついて学習することを伝える。 |
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展 開 35 分 |
2.グループごとに商品を受け取る。 1班 シャンプーとリンス 2班 照明用点滅スイッチ 3班 牛乳パック 4班 ピール(皮むき)とスライサー 5班 サランラップとアルミホイル 6班 電卓とアラーム時計 ・商品を注意深く観察し、ワークシートの①~③までに ついてグループで話し合い、わかったことを記入 する。 合わせて発表者を決定する。(5分) |
2.ワークシートと商品を配る。 ・商品のどこを観察するかを助言しながら ワークシートに記入させる。 期間巡視をしながら、発表者選出につい て助言する。 |
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3.(社)かながわデザイン機構のデザイナー、佐藤 さんから、デザインすることについての話を聞く。 (10分) |
3.デザイナーを紹介する。 自分たちの観察した商品をはじめ、身の 回りのモノはデザイナーによってデザイン されていることを知らせる。 |
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4.佐藤さんから直接話を聞き、観察した商品につ いて付け加えることがあればワークシートに付け 足し、班の意見をまとめる。(5分) |
4.デザイナーは、何に注意してデザインし ているのか、話を聞くよう助言する。 *専門家のアドバイスを聞き、デザイナー の仕事について理解し、もう一度各班の商 品について観察・見直しをさせる。 |
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5.各班が観察した品物のユニバーサルデザインに ついて気づいたことを発表し、佐藤さんから一言 コメントをいただく。(15分) |
5.各班それぞれの品物の、ユニバーサルデザインであると思われる点について説明させる。 ・佐藤さんにコメントをもらう (ポイントのみ)
時間配分に注意。 |
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ま と め 10 分 |
6.ユニバーサルデザインされた部分をスケッチす る。 ユニバーサルデザインについて考え、各自 の言葉でワークシートのまとめの部分を記入する。 7.商品を観察し、デザイナーの話を聞いて、日々 の生活の中で目にする身の回りのモノがデザイン されていることを意識する。 さらに、デザインは多様な使い手や社会の要求 (ニーズ)に答えたものであるべきことを理解する。 |
6.私たちの身の回りのモノが、多くの人々、 つまり多くの使い手が満足できるデザイン であるためには、人々がどのような状態にあ り、どのように暮らしているのかを正確に 理解することが重要であることを知らせる。 7.さまざまな使い手に対応するという考え 方が、ユニバーサルデザインの考え方につ ながり、誰もが豊かで暮らしやすい社会の実現につながることを気付かせる。 |
8.評価
・身近な商品からユニバーサルデザインを理解することができたか。
・デザイナーの話を聞いて、身の回りのモノをユニバーサルデザインすることの大切さを理解出来たか。
![]() |
ユニバーサルデザイン |
1年 組 番:名前 |
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ワークシート |
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グループに配られたモノ(道具・商品)を観察してみよう
質問① この商品は何ですか?
〔 〕
*冊子を参考に、品物を見たりさわったりしながらどこがユニバーサルデザインになって
いるかを各班で考え相談しながら、質問②、③に記入しよう。
質問② どんな人のためにデザインされたモノですか。
例:男の人・女の人・子ども・身体の不自由な人・高齢の人・外国の人・・・
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質問③ どの人にも使いやすく作られていますか?それはどんなところですか?
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質問④ この商品のユニバーサルデザインになっ ている部分をスケッチし、どのような人た ちを意識してデザインされたかを考え、今 日学んだユニバーサルデザインについて下 のまとめに記入しよう。 |
スケッチ |
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まとめ
・なぜユニバーサルデザインという考え方や ものが登場したのでしょうか? |
・身の回りにあるユニバーサルデザインされたと考え られる道具を発見してみよう。またどうしてそう思う のか理由を書いてみよう。 |
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・ユニバーサルデザインとはなんですか?あなたの言葉で答えなさい。 |
ユニバーサルデザイン ワークシート |
1年 組 番:名前 |
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1,どんな人のためのデザインですか。 |
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2,困っていること |
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3,解決方法 |
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4,アイデアスケッチ |
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←○シャンプーのギザギザは目の悪い人ばかりでなく、髪を洗ってて目を開けられないときには便利だね
○牛乳パックの切り欠きを発見。
切り欠きはジュースやお酒のパックにはないんだよ。牛乳だって、そこでわかるしくみなんだよ。