国語科学習指導案

日時 平成22年11月15日(月)5校時

学習者 2年3組(在籍36人)

指導者 横浜市立新羽中学校 教諭 横田智

 

豊かな語彙力を身につけさせる授業展開の工夫

「古文の音読による語彙の習得方法」

 

1 単元名 古典に親しむ

  教材名 仁和寺にある法師―「徒然草」から―

 

2 研究テーマについて

 ここでは【@古文の学習】【A音読】【B語彙の習得】ということについて考える。

 

【@古文の学習について】

 いわゆる「古典嫌い」の生徒にはいくつかの理由が考えられる。

(1) 読み方が分からない。    (2) 世界観(古典常識)が分からない。

(3) 話そのものが面白くない。  (4) 古典を学ぶ意義(実用性)が分からない。 

(1)古典には現代語にない言葉、また現代と読み方の違う言葉などがある。そのため初見で音読ができる生徒はほとんどいないだろう。始めは教師の範読により、耳からの情報を多く入れていく必要がある。適宜、読み方や意味などの補足を交えながら、繰り返し読ませ、つっかえずに読めるようにしたい。スラスラと読めることが子供の自信につながり、古典への抵抗を減らすことにつながるだろう。

 

(2)現代と古典の世界では暮らしぶりや教養、一般常識、価値観などが大きく異なっている。また時代毎にもその差は大きい。時にそれは理解の妨げにもなるが、「長い年月を越えて自分たちとつながるもの」(変わらないもの)を強調したり、逆に「今と全く違うものの見方・考え方」を強調することで、新鮮味があり、興味をひく点にすることもできる。随筆には前者が、他の竹取物語や平家物語には後者が有効だと考えられる。

 

(3)古典に笑話や滑稽譚などの「面白い話」が収録されることがある。しかし、これを現代の中学生が読んで笑っているのはあまり見たことがない。恐らく訳がわからないからとかではなく、意味がわかったとしてもそれほど面白味を感じないということだと思う。逆に、普通の物語の中に、当然のように神仏が出てきたり、今でいえば突拍子もないことが起こる時の方が生徒は笑っている。「笑い」の面でいえば、古典作品が求める「笑い」を生徒に要求することは難しい。しかし「興味」の面では(2)で述べたようにさまざまな引き出し方がある。本教材はいわゆる滑稽譚だが、「笑い」の面白さを求めるのではなく、「現代にもつながる教訓」という面を強調し、興味をもたせていきたい。

 

(4)生徒にとって古典の第一印象は現代語とかけ離れた別物のような感じだろう。しかし、言葉の用法にも語彙にも現代語へつながるものは多い。また、現代語と同じ視点で分析できることも数多くある。そういった面は機会あるごとに確認していきたい。また、本教材のように「現代に通じる価値観」といったものを学ぶことも「実用性」があると言える。

 

【A「音読」の効果と指導法について】

《効果》

黙読の場合、読めているつもりで間違えているという場合が多々ある(一見能力の高そうな子に多い。)また範読後にすぐ黙読では、音声としての情報が少なく「読める」状態にならない子が多い。範読で読み方を知り、「追い読み」で慣れながら間違いを確認し、交代読みで更に確認する段階になって初めて全員が読み方を知るというレベルになると思う。

 音読はまずスラスラつかえずに読めることを目標にしたい。速度をあげながら人とそろえようとする中で自然と語句の切れ目・まとまりに意識がいくようになる。

《指導法》

音読も抵抗の少ない段階から徐々にレベルを上げていく必要がある。具体的には次のようなやり方が考えられる。

@    範読(ふりがなを振る) 

A    追い読み(教師の読んだ所をくり返す。スピードを上げていく)  易

B    一文交代または読点交代(教師と、男女で、座席左右でなど)

C    隣同士で(1回読んだら交代してもう一度、二回読む)

D    全員でそろえて。(スピードを上げていく)

E    二列ごとに

F    一列ごとに

G    一人ずつ順番に

H    指名なしで一人5文→3文                   難

I    指名なし音読

内容理解のみを目的とするならDまでできれば充分だと考えられる。しかし、音読を発表や討論の前段階ととらえるとき、Iの段階まで指導する機会を年間の中で計画的に設けたい。この指導が討論などの活性化につながると考えられる。

 

【B語彙の習得について】

音読・暗唱による語彙習得の効果としては以下のことが考えられる。

@    「語句」ではなく「文章」として覚えられる。

A    抑揚、間によって語のまとまりや役割が分かる。

B    作文などにも転用できる。

 

古典の「語彙習得」を考える場合、古文単語を覚えることはそれなりに意味があると思うが、それだけでは不十分だろう。現代語に応用できる「語彙習得」としては@現代に通じる古典的用法 A前後の文章から類推する力 の二つが考えられる。@は本教材では否定の助動詞「ざる」が現代でも「やらざるをえない」などで残っている。また、「年寄る」というのも「年寄り」「寄る年波」などの形で残っている。Aは本教材は適度に訳が付されており、間を類推させる形になっている。

 

 

 

3 指導事項

(1)指導事項

○作品の特徴を生かして朗読するなどして、古典の世界を楽しむこと。

(「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」ア−(ア))

○古典に表れたものの見方や考え方に触れ、登場人物や作者の思いなどを想像すること。

(「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」ア−(イ))

 

(2)言語活動

○繰り返し音読し、内容をつかむ

本教材「仁和寺にある法師」は語句そのものはあまり難しくなく、部分的に現代語訳も書かれているため、音読の抵抗は他の教材(『平家物語』など)に比べて少ないと考えられる。

 しかし、それでも「古典」というだけで自信をなくす生徒もいる。まずはスラスラと読めるようになるまで音読をし、自信をもたせたい。

 

○自分の考えを文章に書き、発表する。

 発表や発言ができない生徒は、それ以前に自分の考えが整理できていない場合が多い。まずノートに書かせ、それを読ませることによって発表の経験を積ませていきたい。また、ノートに書いたものをチェックすることによって自信をもって発表できる土台をつくっていく。

 

4.単元の目標

○音読・暗唱を通して、古典に対する興味を深め、自信を持って読めるようにする。

○さまざまな視点から分析することで古典に対する見方を身につける。

○「徒然草」に込められた作者の考え方を読み取り、自分なりの意見をもつ。

 

 

5.本教材「仁和寺にある法師」について

 本教材は仁和寺の法師が、石清水を拝みに行ったものの、本殿が山の上にあることを知らず、山の麓にある社だけを拝んで帰ってきてしまうという失敗談である。

 面白味がある話ではあるが、それを味わわせるのは難しい。その点に関しては「理解」はさせた上で、重くは扱わない。 

 以下、次の視点で分析する。 @読みやすさ A文法事項 B論点

 

@文章量としては多少長いため、何度もくり返し音読ではテンポが悪くなり、疲れも感じる。その反面、第一段落の三行に、状況はほぼ集約されているため、その部分を正確に捉えることができれば、あとは比較的読みやすい。心内語、セリフ、地の文などが適度に混ざっているため、そこを区別しながらメリハリをつけられると良い。

 

A文法事項の中で扱いたいものとしては【「年寄る」】【「拝まざり」の「ざる」】【三つの係り結び】などである、これらは汎用性が高かったり、現代語とのつながりを感じさせられる。

 

 

Bは、ここでは以下の通り、いくつかの論点を考えた。

【法師が失敗した原因】

1.「年寄るまで」→偏屈になったり、山の上まで登りづらい?

2.「あるとき思ひたちて」→急な行動で事前の情報収集もなかっただろう。

3.「ただ一人」→教えてくれる人がいなかった。

4.「徒歩より」→当時は舟旅が一般的。舟ならば乗り合いの人にも聞ける。

5.「極楽寺・高良など」→下院も本殿と間違えるほど豪華だった。

6.「かばかりと心得て」「尊くこそおはしけれ」→下院も満足できる豪華さだった。

7.「神へ参るこそ本意なれ」→生真面目すぎたための失敗。

8.「山までは見ず」→というよりは「人にも尋ねず」という点が失敗。

 

上記のように様々な点に失敗の要因がある。そして、それらは語句に注目することでほとんどのものは読み取ることができる。特に「など」に注目するという視点は、現代語でも分析の観点になるため、取り上げたい。

 

【法師は満足して帰ったか?】

極楽寺・高良などを拝んで帰った法師は、仲間に「聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。」と語る。これは本心だろうか。それとも旅に出たからには自慢をしたいという気持ちで嘘を語っているのだろうか。嘘だとすればそれも滑稽さを一層引き立たせる。

 しかし、最後のまとめは「先達」の有無に重点があること・当時の下院は満足できるほど豪華だったこと・「かばかりと思ひて」ではなく「かばかり心得て」であること・仁和寺から石清水までの距離はそれほど遠くもないということ(直線距離約20km)・などを考え合わせれば、ここでは言葉通り満足しながら帰ってきたととらえる方が適切だろう。

 この論点に関しても考えていく中で、さまざまな言葉に注目させることができると考えられる。

 

【石清水への旅は大変なものだったか】

 当時、伊勢詣でや長谷寺参りなどは、長旅であり、簡単に思い立っていけるようなものではなかった。ここでも「年寄るまで」行かなかったという描写はそういった旅の大変さを思わせる。しかし、仁和寺から石清水までは直線にして20kmほどであり、年寄りであっても、その気があれば一日で行ける距離である。また、最後のまとめが「少しのことにも」と結んであるのは一般論に広げたと言うよりも、この石清水詣で自体が「少しのこと」であったと考えられる。現代で考えるならば、「横浜にいて中華街やランドマークタワーに行ったことがない。年を取って死ぬ前に一度くらい行ってみるか。」という程度の話だったと考えられる。

 これがもし、一生に一度の長旅であれば相応の準備をし、今回のような失敗もなかっただろう。参拝に対して、軽い気持ちをもっていたための失敗だったと言える。

 そのように考えると、これは徒然草の109段「高名の木登り」にある「あやまちは、やすき所になりて、必ずつかまつることに候ふ」にも通じる「簡単なことこそ失敗しやすい」という一歩進んだ教訓まで得られるだろう。

 

 

 

 

 

6.「しっかり教え、しっかり引き出す指導」のために

(1)子どもの実態

 毎週の漢字の10問小テストではほとんどの生徒が100点ながら、5人、なかなか満点をとれない生徒がいる。現時点では1人を除いては学習時間が不足していることが原因だと考えられる。

 学級として日記指導をしており、一人は毎日1ページを書いている。最近では2ページ書く生徒や、描写的な文章を書いてくる生徒も増えてきている。しかし、提出率は3分の1程度であり、文章が得意でない生徒もいる。一年生の時から作文は「全員が原稿用紙2枚」を目標に繰り返し書かせてきた。そのため、通常よりは「文章を書く」ことに対する抵抗は少ないと考えられる。

 発表に関しては学級においても、授業においても「指名なし発表」の機会を多く設けてきた。発表の題材にもよるが、標準的に発表するのは十数名ほどである。

 読み取りの力については、音読は抵抗無く読む子がほとんである。口が動きにくい子は男子に多く3名いる。人前でなかなか声が出せない子は女子に1名いる。それでもサボるということはなく、一生懸命にとりくむ。

 総じてまじめに授業に取り組むが、テストになると結果が伴わない生徒も多い。家庭学習の習慣がついていないことなどいくつか理由が考えられるが、今後の課題である。

 

(2)指導の手だて

@活動から入る授業

音読など「何をやればよいか」明確な活動から始めることにより、子どもを集中させやすくする。

 

A短い発問・指示

指示は一度に一つのこと、発問は短く明確に、を意識することでリズムよく、また「何をやればよいかわからない」状態を一人もつくらないように気をつける。

 

B    易→難への組み立て

全員が参加できる易しい課題から与え、少しずつ難しくしていくことで、脱落し参加できない生徒が出ないようにする。音読も難易度を徐々に上げていく。

 

C    変化のある繰り返し

音読などにおいて、活動をくり返すなかでも変化をつけていき、単調にならないようにする。

 

D確認の方法

「わかりましたか?」などではなく、「分かったこと」が見とれる「活動」に変えて指示を出す。例として「本文に指をおきなさい」「隣と確認」「同じだった人?」や、「読み終わったら座ります」や「書けたら前に見せにきなさい」など。

 

E自信をもたせる手立て

ノートに丸をつける・机間指導で声をかける・「良い意見」と紹介してから指名する・ノートに書いたことをそのまま発表させる、などの手だてが考えられる。

 

 

7.評価規準

関心・意欲・態度

言語に関する知識・理解・技能

(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)

読む力

@作品を読む中で得た、自分の考えなどをまとめ、表現しようとしている。

A作品の特徴を知り、それを生かして音読している。

B作品の中のものの見方や考え方に触れ、作者の思いを想像することができている。

C自分の体験や知識と関連づけて登場人物の状況や心情をとらえている。

 

8.指導と評価の計画(4時間)

学習活動と内容

評価規準と○指導の手だて

・「徒然草」の冒頭文を繰り返し音読し、「徒然草」の書かれた背景などについて学習する。

・暗唱にも挑戦させる。

    さまざまな方法で音読する。

 


A作品の特徴を知り、それを生かして音読している。【見取りによる】

 

 

本時

・「仁和寺にある法師」を読み、場面の状況をとらえるとともに、自分の考えを交流する。

 

 

 

 

 

    繰り返し音読する。

    基本情報を全員で確認することで考える土台をつくる。

    論点を絞ることで考えやすくする

 


@作品を読む中で得た、自分の考えなどをまとめ、表現しようとしている。

【発言・ノート】

B作品の中のものの見方や考え方に触れ、作者の思いを想像することができている。

【発言・ノート】

C自分の体験や知識と関連づけて登場人物の状況や心情をとらえている。

【発言・ノート】

・作品から得られる教訓を読み取り、自分の考えをもつ。

 

B作品の中のものの見方や考え方に触れ、作者の思いを想像することができている。

【発言・ノート】

C自分の体験や知識と関連づけて登場人物の状況や心情をとらえている。

【発言・ノート】

 

 

 

 

9.本時案(とその後の展開)

学習活動と内容 ●指示 ○発問

●「教科書106ページ「枕草子」。速読みします。速く、そろえて、せーの。」

 

●「次、祇園精舎。私が上、みんなが下。祇園精舎の…」

   「交代。みんなから。」「全員で、せーの。」

●「次、徒然草。後に続けて読みます。」「点交代。」「男女で交代」

 

●「暗唱テスト。今日は10人まで。やりたい人起立!」

 

    「今日は、仁和寺にある法師本文をやります。」「ノート用意。」「日付、題名、わかったこと・気づいたこと・思ったことを書きます。目標は10個」

 

    「番号がふれたら9行目から読みます。指で押さえなさい。」

「隣と確認。」「後に続けて読みます。仁和寺にある法師〜かばかりと心得て帰りにけり」「スピードアップ。仁和寺にある法師」「点交代でみんなから、せーの。」「交代。」

 

●「5つ書けたら持ってきて。」「3つ発表できる人。」「2つなら足せる人」「1つ。」

 

●「一行あけて@、主人公は誰ですか。8文字で書き抜きなさい。」「A年寄るからできた言葉を一つ書きなさい。」

「B仁和寺は何県にありますか?」「C法師が拝みたかったのはどこですか?」

「D石清水は何県にありますか?」「E石清水を拝まざりければ、の「拝まざりければ」の訳を書いてみなさい。難問です。」「拝まなかったので、となります。」

 

○「拝まないの「ない」にあたる言葉はどれですか?」

 


○「ざり」の元の形「ざる」は「ない」と訳します。「食べざるに」や「書かざるを〜」などですね。そういった使われ方が今でも残っている例を一つ、考えて見てください。*見ざる・言わざる・聞かざる や やらざるを得ない→板書

 

●「第二場面を読みます。ついて来てください。さて、はい。」「スピードアップ。」

「男女で点交代」、男子から。」

 

●「法師が帰ってきてのセリフですね。参拝した感想の一文に線を引いて、持ってきてください。丸一つ分です。」「全員で読みます。せーの」

 

    「その後を読みます。そも、はい。」

 


    ここまで読むと、法師が勘違いして大失敗しているのが分かりますね。どんな失

敗でしょう。●分からない人にしっかりと分かるようにノートに説明を書きなさい。

 

●「書けた人全員起立。読んだら座ります。」

 

●「まとめの一文を読みます。少しのことにも、はい。」

 

説明「ちょっとしたことでも、詳しくて案内してくれる人がいてほしいよね。という意味です。」

 


○ということは法師がとった行動の中で問題があったのはどこの部分ですか?

 

●「ノートを用意して、法師の失敗の原因と書いて下さい。」

板書 @「ただ一人」→人に聞けなかった。

   A

   B

 


○しかし、法師の失敗の原因は他にもたくさん本文にかくれています。同じようにノートに書けたら持ってきて下さい。」 *板書させる。

 

説明 どれか一つでも違っていたら、本当の望みを果たせたかも知れませんね。

 


○「かばかりと心得て帰りにけりとあって、仲間に自慢してますね。私ね、これは本当は満足しないで帰ってきたんだけど、せっかく行ったのにっていう見栄もあって、嘘をついたんじゃないかと思うだよね。その方がさ、自慢した直後にトンチンカンなことを言っちゃうっていう風に失敗話としても面白味が出るでしょ?そう思わない。でもこれ、違うんだ。●席を立ってもいいです。違う理由を一つ書けたら持ってきなさい。」

*指名無し発表

 

○「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。」とありますが、この「少しのこと、ちょっとした事」というのは何を指しているのですか?

 

説明:今回の旅が、もし一生に一度しかできないような旅だとしたらこんな失敗をしたと思いますか?今回の失敗の原因のもう一つとしてはこの参拝を軽く考えていたということも言えるのです。

 

●もう一つ、徒然草の別の段を読みます。今の話と共通点を考えて下さい。

*109段「高名の木登り」を配り、読む。

 

●どのような教訓がこの作品では共通しているかと、それについての感想を書きなさい。

 

*発表して終了。

 

 

 

 

 

 

仁和寺にある法師、年寄らねど、石清水を拝まざりければ心憂く覚えて、ある時思ひたちて、まず、人から話を集めけり。しかるのち、友を連れ、舟にて詣でけり、極楽寺・高良などを拝みて、茶を飲み、昼げを食ひて後、山へ登りぬ。つひに本殿に至りて、心ゆくまで拝みけり。

「つひに思ひつることはたしはべりぬ。聞きしにも過ぎて尊くこそおはしけれ」とぞ満足しける。

 少しのことにも、準備は大切なことなり。

 

主人公は仁和寺にある法師