放 送 計 画
番組の種類と内容
企画から番組制作まで
番組の構成について
放送原稿を書こう
番組の制作をはじめよう
私たちが授業や学校行事を行うとき,目標に添ってさまざまな計画を立てた上で活動を展開させますが,校内放送でも番組を制作させたり放送するには,やはり「放送計画を立てる」ことが大切です。 校内放送では,限られた時間・費用・機器などの条件の中で番組を制作したり選んだりしなければならないわけですから,なおさら放送計画はしっかり立てておきたいものです。 一年間を見通した「年間放送計画」,それを受けて「月別放送計画」や「週間放送計画」を立てておきましょう。また,「一日の放送計画」を立てておく必要もあります。 次の昼の放送番組制作,放送のための計画例を参考にして,放送計画を立ててみてください。 |
曜 日 | 番 組 名 |
月 曜 日 | News Weekly(ニュースウィークリー) |
火・木曜日 | お昼のビデオアワー |
水 曜 日 | THE Music(ザ・ミュージック) |
金 曜 日 | 西柴キャンパスジョッキー |
1ヶ月の番組表(西柴中学校の例)
日 | 曜 | 番 組 名 | 内 容 |
1 | 木 | ビデオアワー | まんが日本昔話(TBS放映) |
2 | 金 | 西柴キャンパスジョッキー | キャンパスブック「手品師」最終回 |
4 | 月 | NEWS WEEKLY | 「赤い羽根募金」「体育祭を振り返る」 |
6 | 火 | ビデオアワー | まんが日本昔話(TBS放映) |
7 | 水 | THE MUSIC | 秋き特集その2 「ゆるやかのワルツ」他 |
8 | 木 | ビデオアワー | まんが日本昔話(TBS放映) |
9 | 金 | 西柴キャンパスジョッキー | 先生インタビュー「竹田先生」 |
12 | 月 | 中間テストのためなし | |
13 | 火 | 中間テストのためなし | |
14 | 水 | 中間テストのためなし | |
15 | 木 | ビデオアワー | 「今年の体育祭その1」 午前中の部 |
16 | 金 | 午前授業のためなし | |
19 | 月 | NEWS WEEKLY | 「音楽について」 「定期演奏会について」 |
20 | 火 | ビデオアワー | 「今年の体育祭その2」 午後の部 |
21 | 水 | THE MUSIC | 秋にちなんで 「 ムーンリバー」他 |
22 | 木 | ビデオアワー | まんが日本昔話(TBS放映) |
23 | 金 | 西柴キャンパスジョッキー | キャンパスブック,先生インタビュー「酒井先生」 |
26 | 月 | NEWS WEEKLY | 「金沢区・秋の行楽地」 「定期演奏会のようす」 |
27 | 火 | ビデオアワー | まんが日本昔話(TBS放映) |
28 | 水 | THE MUSIC | 歌謡曲特集「そばにいるよ」他 |
29 | 木 | ビデオアワー | まんが日本昔話(TBS放映) |
30 | 金 | 西柴キャンパスジョッキー | キャンパスブック,先生インタビュー「田中先生」 |
NEWS WEEKLYはテレビ番組 , 西柴キャンパスブックはラジオ番組
THE MUSICは音楽番組
番組を選択したり制作するために,番組の種類や内容,形式を理解しておきましょう。 簡単に紹介しますので,番組内容は制作を通して工夫し,深めてください。 |
報道番組 | 児童会・生徒会活動,学年・学級活動,クラブ・部活動,校
内行 事や地域社会の行事など身近なできごとを知らせる速報 性の ある番組。 |
紹介番組 | 目立たない活動や人物の活動ぶり,または地域の様子などを じっくりと多方面から取材をして紹介する番組。報道番組に 比べると 速報性はないが,単に事実を伝えるだけではない主 張のある 番組でありたい。 |
解説番組 | ニュース解説のような時がらの意味や内容をわかりやすく説 明した番紹介番組より内容の深いものである。 |
音楽番組 | 音楽を流すことを中心とした番組。放送時間帯を考慮し,個 人的趣味にとどまらない音楽選びが重要となる。 |
キャンペ ーン番組 |
○○週間や○○運動というような時期に知らせたい内容を盛 り込んだ番組。 |
ストレート・トーク | 一人で話す形式。朗読や講演などがこれである。 |
対談・座談会 | 話題に添って複数で話を進める形式。対談には司会がいない ため雑談にならないようにし,座談会の司会は話の展開を考 えなくてはならない。 |
インタビュー | インタビュウーアー(聞き出し役)が話を聞きたい相手に質問 をしながら話題を深めていく形式。 |
DJ(ディスクジョ ッキー) |
音楽を流しながら話す形式。音楽中心で進める方法と話を中 心に進める方法がある。話す人の個性が強く出る。 |
ドラマ劇の形式 | 聞き手に感動を与えることが大切である。 |
録音・録画構成 | ねらいに添って取材した録音・録画にナレーションや音を加え て編集する形式。 |
【学校行事・学校環境から】 入学式 ・卒業式 ・球技大会 ・体育祭 ・学習発表会 ・文化祭 ・遠足 ・野外活動 ・修学旅行 ・学校で働く人たち ・図書室の利用方法 ・保健室の利用方法 ・校内の動植物の様子など
【学習・進路・学校生活・約束事】
【生徒会・学級活動から】
【部活動・クラブ活動から】
【身近な地域社会から】 |
「よい素材」を見つけることができても,思いつきで番組を制作したのでは,視聴者の心に残る(訴える)番組にはなりません。たとえ,視聴者に受ける場面があったとしても,それは一過性のものにすぎないでしょう。企画は,アイディア次第です。企画をしっかり立てて,心に残るラジオやTV番組を制作したいものです。企画は,次の手順で立てましょう。
ねらいは?
ねらい・制作意図を明確にしておくことが大切です。番組完成までの全体像も頭に描いておこう。
そのためには,
○だれに(対象は?) ○いつ(時期は?) ○どこで(場所は?)見せる番組なのかを考えに入れてねらいを絞りましょう。
なにを?
ねらいに基づいて「どのようなテーマにするのか」を考えましょう。テーマは,あれも,これもと内容を広げすぎずに ○知らせる(伝達) ○考えさせる(啓発) ○楽しませる(娯楽) のどの傾向なのか?はっきりさせた上で決めましょう。
形式は?
番組の形式を考えましょう。
○どのようなテーマを取り上げるか?
○視聴者は,どのような状態にあるのか?(対象学年・視聴時間・視聴場所)
○番組の制作力はどうか?(スタッフ・制作日数・予算・機材・資料など)以上の3点を考えながら形 を決めましょう。
内容は?
起承転結の内容構成が基本である。しかし,ねらいによっては,構成に変化を持たせよう。(何分の番組にするかも考える) ○興味 ○関心 ○期待 ○感動 ○やってみたいこと といった視聴者の心理をつかんだ内容選択,構成を考えだそう。
企画が立てられ・取材が終わったら内容の骨組みをします。下のようなカードをつくり並べながら考えるとやりやすいです。
全校生徒に昼の放送を通じて図書室の利用方法を知らせ,有効な利用を呼びかける。 | 「図書室を訪ねて」と題して,貸し出しの方法,利用上の注意 を知らせる | レポーターを中心として話題をすすめ,インタビューを入れる。 |
タイトル 「図書室を訪ねて」 |
今日のBSレポート 内容紹介 「図書室を訪ねて」 |
図書委員会にインタ ビ ュー
・生徒がどのようにし |
・本の貸し出し方法の 説明 映像…図書室の書架 |
・本の貸し出し方法の 説明
映像…本を借りる場面 |
・本の貸し出し方法の 説明
映像…本を返す場面 |
図書室利用上の注意
映像…図書室でしては |
図書室の有効な利用 方法の説明
映像…図書委員長が |
エンドタイトル |
企画、構成に従って、放送原稿を書きます。
放送原稿づくりのポイント
・ラジオ番組は、録音・ナレーション・音楽・効果音の構成に変化をもたせる。
・テレビ番組は、映像・音声・音楽・効果音のバランスをとり、相乗効果を発揮させる。 ・視聴したくなるような導入方法を考える。 ・発想豊かな展開を考える。 ・まとめ方の工夫をする。(安易なまとめ方はさけよう) |
放送原稿が完成したら、番組制作の本番開始です。本番では、すべてディレクターを中心にして仕事を進めましょう。制作をスムーズに行うための基本です。そのためには、事前にスタッフやキャストとの打ち合わせを充分にやっておき、本番で意見や要望の出ないようにすることが大切です。 テレビ番組の制作を中心にして説明していきます。 |
@タイトル作り
(B4以上の大きさが撮影しやすい)
(光沢のある用紙やうすい用紙はさけたほうがよい)
<ビデオタトラー>
ビデオタイトラーを利用すると、簡単にスーパーインポーズすることができます。画面にタイトルを入れると変化がでて,できばえが良くなります。
また、画面上の文字の色も数色に変えることやスーパーのフェードイン、フェードアウトができます。
撮影以前 | 撮 影 中 | 編 集 |
@放送原稿 Aタイトル B音楽、効果音 C撮影に必要な道具 |
@ディレクター Aカメラマン BVTR C照 明 D音楽、効果音 E美 術 F出演者 |
@ディレクター AVTR B音楽、効果音 |
校庭での朝会が雨のため急に放送での朝会に変わって、生放送で流さなければならなくなった時や、急な番組制作の必要に迫られた時、対談などのため放送原稿をしっかり書くことができない内容の番組などを制作することもあると思います。 また、放送委員会などを担当していて、番組制作の依頼を受けることもあるでしょう。逆に番組制作を依頼することもあるでしょう。こうした時は、放送原稿を書く時間がないからといって行き当たりばったりの制作に入るようなことは避けたいものです。大まかな構成(番組の流れ)をした上で制作にとりかかるようにしましょう。 |
場 面 | シーン1 | シーン2 | シーン3 | シーン4 | シーン5 | シーン6 | シーン7 |
映 像 | タイトル | 司会者 | 校 長 | 司会者 | A先生 | 司 会 者 | エンドタイトル |
音 声 | 音 楽 | 話 | 校長の話 | 話 | 連 絡 | 話 | 音 楽 |
タイトル → 養護教諭 → 順番を示すカード → 身長を計る生徒 → 体重を計る生徒 →音楽 → 受ける順番の説明 → 養護教諭の説明(身長) →養護教諭の説明(体重) → 胸囲を計る生徒→ 座高を計る生徒 → 養護教諭 →昨年の計測結果のグラフ → 養護教諭の説明(胸囲) → 養護教諭の説明(座高) → 計測記録方法の説明 → 養護教諭の説明(日時・場所の説明)→ まとめの話 → 音楽 → エンドタイトル |
番組づくりの詳しい内容については校内放送の手引き(昭和63年度版:横浜市視聴覚教育研究会編)をご覧下さい。まだ,多少の残部があります。購入希望の方は,横浜市立蒔田中学校山田和男副校長宛申し込んで下さい。一冊1000円です。
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
![]() | ![]() | ![]() |